高柳 制度や仕組みをつくるのは好きという経営者は多いですが、本当に使えるのか、継続できるのか、という話もある。日本IBMはどうですか?

「制度や仕組みをつくるのは好きという経営者は多いが、本当に続けているのかが大事」(日経BP執行役員 高柳正盛)
「制度や仕組みをつくるのは好きという経営者は多いが、本当に続けているのかが大事」(日経BP執行役員 高柳正盛)

山口 制度をつくっても、なかなか機能しないというのは、もちろんあります。3カ月や1年で見直すことも。また、制度の内容を変えるために、当事者からいろんな意見をもらいます。問題があるなら、それをどうすればいいかと、人事主導だけでなく、皆で考えて一つ一つ制度に反映させていく。そこが大きいのかな。

女性管理職比率が13%で踊り場、研修が機能せず悩んだ

高柳 管理職の育成プログラムについても教えてください。

山口 3年くらい前から女性管理職比率が13~14%で踊り場となり、伸び悩みました。管理職手前の女性たちは、「(管理職を)できると思えない」と。管理職の大切さを理解してもらうなど、1週間の研修はやりましたが、全く機能しなかった。

日本IBMの女性管理職育成プログラム「W50」。役員をスポンサーとし、1年間のプログラムを受けて、参加社員40%が管理職に着任。「管理職になりたくない」社員は40%から10%へ減少した
日本IBMの女性管理職育成プログラム「W50」。役員をスポンサーとし、1年間のプログラムを受けて、参加社員40%が管理職に着任。「管理職になりたくない」社員は40%から10%へ減少した

 そこで、始めたのが「W50」です。これは1年かけて、経営全般の知識から服のカラーコーディネートまで、いろんなことを学びます。また、役員がスポンサーになり、管理職のつらいことも、楽しいこともリアルに伝えた上で「(管理職について)どう思う?」「チャレンジしたい?」と対話を続けました。

高柳 1年続けて、結果はどうでしたか?

山口 最初は「管理職になりたくない」と言っていた社員が、「やりたい」「チャレンジする」と言ってくれた。昨年は参加者54人中、22人が部下を持つ管理職になりました。今も頑張ってくれています。