日経グループが女性活躍を本気で推進する「日経ウーマンエンパワーメント」プロジェクト。日経xwoman総編集長の羽生祥子がキーパーソンにインタビューする第1弾は、現在、UN Women(国連女性機関)日本事務所長を務める石川雅恵(いしかわ・かえ)さん。世界を舞台に女性や女の子のエンパワーメントを促進する石川さんに、現在の日本が抱える問題点について伺いました。

UN Womenは世界中の女性と女の子を支援する機関

UN Women日本事務所長、石川雅恵さん

羽生祥子(以下、羽生) 私が石川さんに初めてお目にかかったのは、2018年12月、東京で開催されたSDGsのイベントで一緒に登壇させていただいたときのことです。ジェンダーギャップ指数が121位と、日本社会における男女の格差は広まるばかりということもあり、「国連の石川さんにこの現状について相当怒られるのでは」と恐れおののいていたところ、石川さんは華やかな衣装に身を包み、満面の笑みで登場されて……。会場がぱーっと明るくなったのを覚えています。そんな石川さんのキャラクターに魅了され、ファンになったのは私だけではないでしょう。

石川雅恵さん(以下、石川) あはは、そんなこともありましたね!

羽生 石川さんの現在のお仕事内容について詳しく教えていただけますか?

石川 はい、今の私の業務は、大きく分けて3つです。1つ目は、世界中の女性と女の子を支援する事業の展開です。一例を挙げると女児に対するSTEM教育などがあります。これらの活動を遂行していくためには、やはりお金がかかります。ですから、私は営業部長として資金集めに奔走しています。それが私の一番の役目です。

 2つ目は広報活動。資金集めのためにも皆さんに活動内容をご理解いただく必要があります。

 3つ目は、日本への政策提言です。例えば、今、力を入れている活動に「HeForShe」という運動があります。UN Women親善大使でもある俳優エマ・ワトソンさんが国連で行ったHeForSheに関するスピーチは有名ですが、このプロジェクトは、ジェンダー問題を解決するために、性別に関係なく、すべての人々と協力して取り組んでいく必要がありますので、その真意を広めるための活動をしています。

羽生 UN Womenの活動費はどのぐらいの規模なのですか?

石川 UN Womenが設立された2010年、どれぐらいの予算が必要か国連内で話し合いが行われ、年間約5億米ドルという案がまとまりました。しかし、蓋を開けてみると、設立後満額に達したことはなく、昨年やっと5億米ドルに達しました。

 拠出金の規模を見ると、北欧諸国からの額が大きく、特にスウェーデンやフィンランド政府が多額の資金を提供してくれています。日本のODA(政府開発援助)からの拠出金もありますが、実は私が日本事務所長に就任した翌年の2018年以後、残念ながら、日本からの拠出金額は減っています。どの国でも、インフラ整備などが優先されてしまい、ジェンダーギャップの解消には大きな額を出してもらえないのが実情です。これは万国共通の課題です。