ジェンダー平等は日本の組織の成長に不可欠であり、多様性のあるチームはイノベーションを起こしやすい。日経ウーマンエンパワーメントコンソーシアムでは、そのような信念で実践しているキーパーソンにインタビューしていく。米サンフランシスコに本社を置く、顧客情報管理(CRM)大手セールスフォース・ドットコムの日本法人・会長 兼 社長の小出伸一さんへのインタビュー第2回では、同社のコアバリューの1つである「イクオリティ」について詳しく教えてもらう。

「イクオリティ」の対象は、自社の社員だけではない

「当社のコアバリューとして、4つ目のイクオリティが加わったのが実は4年前のことです」と語る、セールスフォース・ドットコム会長 兼 社長の小出伸一さん

日経xwoman編集部(以下、――) 貴社が言うイクオリティ(平等)とは、ジェンダーだけでなく、人種、宗教、社員・取引先などステークホルダー、肩書、年齢など、すべての垣根を越えて、人はあまねく平等であるというお考えだと伺いました。

小出伸一さん(以下、小出) 当社のコアバリューとして、4つ目のイクオリティが加わったのが実は4年前のことです。時代が大きく変わってきたという背景もあり、企業経営の中でイクオリティが大変重要な価値を生み出すということに我々も気づいて、もっと積極的に取り組むべきだと考えるようになりました。

イクオリティはダイバーシティ実現に不可欠

小出 イクオリティという価値観を共有する文化がなければ、多様性を認めることはできません。イクオリティがあって、人は初めて自分と人との違いを認めたり、自分とは違う人を尊敬したり、信頼したり、認め合うことができるのです。そして多様性を認めるという文化があって初めて、その多様性と多様性が化学反応を起こしてイノベーションが起きます。イノベーションを起こし、そのイノベーションをお客様とも共有する。それがお客様の成功につながる。こうしたことの繰り返しが信頼を生みます。

 つまり、我々の4つのコアバリューである、信頼、イノベーション、カスタマーサクセス(顧客の成功)、イクオリティはすべてつながっているのです。単に男女の機会均等や給与均等だけではなく、LGBTQも含め、お客様、パートナー様など、すべてのステークホルダーとのイクオリティまで踏み込まないと、当社の4つのコアバリューを成り立たせることができないのです。このイクオリティは、当社に限らず、今、各企業に問われているものだと思っています。

 ただ、このイクオリティを実現することは非常に難しく、掛け声だけで終わらせてしまったらどうしようもありません。イクオリティでもダイバーシティでも、言葉はどちらでもいいのですが、これらの言葉を発した以上は、経営者自らが先頭に立って示していかなければいけません。イクオリティは本当に経営のリーダーシップがないと全然浸透せず、加速もしないのです。

2019年9月、東京都内ホテルでの大規模イベント「Salesforce World Tour Tokyo」にて。基調講演後に、「Trailblazer」の皆さんと。Trailblazerとは「先駆者」という意味で、セールスフォースの技術を駆使してビジネスを改革する先駆者に対して敬意を持って使われている言葉。Trailblazerには黄金のパーカー(前から2列目の皆さんが着用)が贈られる