コロナの影響は、女性がより受けている

 国際的な流れを見てみます。SDGs(持続可能な開発目標)において「ジェンダー平等」は目標の一つではありますが、それにとどまらず、すべての目標とターゲットの達成にとって、極めて重要だとされています。また、世界の首脳もコミットしています。

 「G20ブエノスアイレス首脳宣言(2018年)」や日本が議長を務めた「G20大阪首脳宣言(2019年)」で、ジェンダー平等の重要性が強調されています。このように、ジェンダー平等の重要性と推進は、世界の共通課題となっています。

 最後に、新型コロナウイルスの影響とジェンダーギャップについて述べたいと思います。医療福祉・宿泊業・飲食サービス・生活関連サービス・小売業などは、就業者に占める女性の割合が高い産業です。今、医療・介護・保育など、人の命を預かる仕事、また食料品店やスーパーなど、私たちの暮らしを支える仕事の現場では多くの女性が働いています。このたび大きなダメージを受けた飲食・観光・人と接するサービスの就業者においても、非正規雇用においても、女性の割合が高く、より深刻な雇用の危機にさらされることを懸念しています

 在宅勤務・休校などで、家族が一日家で過ごす時間が長くなっています。家事・子育て・介護は女性の役割だという意識が根強い中で、家族が一緒にいることによって増えたこれらの仕事の負担は、女性に集中しています。そして、家庭内での暴力、DVも深刻化しています。

 このように、新型コロナウイルスによって、女性がより深刻な影響を受けているといえます。これは平時から存在していた社会のゆがみが、非常時において、より増幅されたことにほかなりません。このタイミングでジェンダーギャップ会議が開催されたことは、とても時宜にかなっているということで御礼を申し上げたいと思います。

 ジェンダーギャップの解消は、社会全体で取り組む必要があります。そのためには、社会的理解と機運の醸成が必要です。この日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトが、ジェンダーギャップの解消に向けて、社会の機運を盛り上げることに大きな役割を果たされていることに敬意を表するとともに、ますます強く期待して私からのあいさつとさせていただきます。

構成/小田舞子(日経xwoman編集部) 写真/鈴木愛子