働き方改革「プロジェクトLEAP」を2019年4月にスタート

―― 女性が活躍するためには、働き方改革も欠かせません。

宮原 2019年4月に、働き方改革「プロジェクトLEAP」をスタートしました。Lead Evolution Accelerate Productivity(変革を導き、生産性を加速させる)の頭文字からなる言葉です。(1)社員が健康で長期的に働ける“職場環境”づくり(Working Style)、(2)効率的に働き、“時間あたりの生産性が高まる仕組み”づくり(Quality)、(3)互いをリスペクトし、共に成長できる“文化・風土”づくり(Mind Set)…という3つのテーマを掲げて、さまざまな施策を実施しています。この取り組みを通じて、ワークスタイルの変化にきちんと対応し、生産性の向上を促していきたい。

 LEAPの施策としては、フレックスタイム制度、在宅勤務制度、長期特別休暇制度、Multi-Experience Program(副業を認める制度)などがあります。さらに、シェアオフィスを契約し、働くシチュエーションに応じて働く場所を自宅や会社以外にもいろいろ選べるようにしました。副業を許可していますので、業務時間外に書道の先生をやったり、ヨガや英語の講師を務めたりもできます。また、ワーケーション制度や中抜け制度、在宅専門社員制度などを、現在検討中です。服装も社員が自由に選択できるようにしました。

―― 確かに、今日もラフな服装ですね。

宮原 TPOをわきまえた、プロフェッショナルにふさわしい服装であれば、自由に選べます。会社にいるときは、ジーンズにニットなどが多いですね。私はそのほうが生産性が上がる(笑)。

―― 長期特別休暇制度はユニークですね。

宮原 一定の条件を満たせば最大1年間の休暇が取れます。リフレッシュを目的に休む、不妊治療のために休む、夫の転勤のため、子育てや介護のために休む…そんな目的で、少しずつ利用する人が増えています。

男性が意識改革しないと、日本は世界で生き残れない

―― 日本のジェンダー平等は遅れています。最後に、これを解決するため企業経営者はどうすべきか、アドバイスをお願いします。

宮原 男性には歴史的に見えない特権があることを認識したうえで、それは当然のことではないんだと自覚しなければいけません。つまり、意識改革が不可欠です。そうでないと変わりませんし、日本は世界で生き残れない。

 ただ、今の若い世代はオープンでフラットな考えを持っています。ダイバーシティ、ジェンダー平等、LGBTQなどは当たり前で、女性もどんどん発言する。そういった若者たちが入社してきたとき、会社がそうでなかったら、みんな幻滅して若者たちは全員いなくなりますよ。

文/長坂邦宏 写真/木村輝

宮原正弘
KPMGコンサルティング代表取締役社長兼CEO
1991年、旧朝日新和会計社(現有限責任あずさ監査法人)に入所。あずさ監査法人 アカウンティング・アドバイザリー・サービス(AAS)事業部長、KPMGアジア太平洋地域(ASPAC)アカウンティング・アドバイザリー・サービス代表、アジア上場アドバイザリーグループ責任者を経て、KPMGジャパン アドバイザリー本部長に就任。2017年7月よりKPMGコンサルティングの代表取締役社長を務める。グローバル企業に対する業務改革、ERP導入支援に加え、IFRS導入、内部統制構築、M&A後の業務統合支援など、幅広い分野でコンサルティング経験がある。