2021年5月14日に開催されたジェンダーギャップ会議では、「ジェンダー平等を、トップの言葉に。組織の力に。」を合言葉に、スポーツ、政治、経済の各分野からリーダーや専門家を招き、ジェンダー平等に向けた課題と解決策を議論しました。本記事では、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当、女性活躍担当の丸川珠代氏による、「男女共同参画社会の実現に向けて」と題された基調講演の内容をリポートします。

コロナ禍でジェンダー不平等がより顕在化

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く中、その影響は特に女性に強く表れており、ジェンダーをテーマとするこの会議が開かれることは、極めて大きな意味を持つものと感じています。

 私からは、大きく2点、「男女共同参画・女性活躍の現状と課題」、そして、「政治、経済分野でジェンダー平等を進めるための取り組み」についてお話しします。

内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当、女性活躍担当の丸川珠代氏
内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当、女性活躍担当の丸川珠代氏

男女共同参画・女性活躍の現状と、課題とは?

 日本のジェンダー・ギャップ指数は、156か国中120位となっており、先進国の中で最低レベル、また、アジア諸国の中でも韓国や中国、ASEAN諸国よりも下となっており、大変残念な状況です。グローバル化が進む中、世界から優秀な人材を獲得する上でも、多様な価値を包み込む強靱(きょうじん)な社会をつくる上でも、ジェンダー平等は大きな課題です。

世界経済フォーラム「グローバル ジェンダーギャップ報告書」より。図版は丸川氏の講演資料より抜粋、転載
世界経済フォーラム「グローバル ジェンダーギャップ報告書」より。図版は丸川氏の講演資料より抜粋、転載

 そして、新型コロナの感染拡大により、ジェンダー平等が遅れていることが改めて顕在化したと感じています。

 新型コロナの感染拡大は、女性の雇用や生活に大きな影響を与えています。例えば、昨年、全国の女性の自殺者数が前の年に比べて1000人近く増加しました。また、性犯罪・性暴力やDVの相談件数が増加し、深刻化も懸念されています。

 コロナの影響で、経済的にも脆弱な立場にある女性たちが、危機にさらされています。国連のグテーレス事務総長が触れたように、今こそ、コロナ対策の中心には女性を置いて考えるべき時です。

 コロナの影響が女性に強く表れた背景には、平時からジェンダー平等が実現していなかったことがあると考えています。