日本には男性社会の「空気」がある

「日本の社会には、男性社会の成功体験で出来上がった『空気』というのもが根付いてしまっています」(ポーラ社長・及川さん)
「日本の社会には、男性社会の成功体験で出来上がった『空気』というのもが根付いてしまっています」(ポーラ社長・及川さん)

―― 及川さんはいかがでしょうか。

ポーラ代表取締役社長・及川美紀さん(以後、及川) 今、寺田さんがおっしゃったように、やはり過去の成功体験が本当に強いと感じています。男性社会の成功体験がつくり上げた「空気」が、日本の社会には根強く残っており、その空気を壊すものはともすると「非常識」「異質なもの」として扱われてきました

 何年か頑張ってきた結果、この空気も壊されつつあると私は思っているのですが、もうひとふんばりしないと、長い間に染みついた空気を完全に変えることは難しいのではないのでしょうか。でも、希望はあると思っています。

―― 今回のセッションの打ち合わせで、及川さんは「今回の新型コロナが男社会を破壊するのではないか」とおっしゃっていましたね。

及川 確かに今回の新型コロナをきっかけに日本社会は大きく変わると思います。今まではだいぶそういう考え方が薄れてきたとはいえ、やはり女性が家を守り、男性は思いきり仕事をするという価値観を持った世代は、50代以上を中心にいました。

 しかし、コロナ禍では、みんなが家で仕事をするようになり、家事をしながら仕事をするというのはこういうことなのだという経験を、性別問わず、理解するようになりました。また、会社に行かなくても生産性は上がるということに人々が気付いたことも、ワークライフバランスを考える上では、とても重要なきっかけになりました。

 「空気を壊す」と先ほど申しましたが、外圧はやはり大きいです。空気を察しているとずっと動かないことが、外圧を受けて「やらねばならない」と感じたときにガラッと変わるということは確かにあると思います。