山口 DXの加速は、大きく社会が変化する中でIBMにとっても、お客様にとっても、今やらなくてはいけない大きな挑戦です。新会社のトップとして最も重視したのは「人間力」です。第一に、会社に変革を起こし、リードできる人材であること。それには明るい性格であることも必要だと思いました。2つめは、デジタルへの技術的な知見があること、3つめに現場の気持ちが理解できるマネジメント経験、4つめが逆境にめげないメンタルを持ち、周囲に支えてくれる人間がいること。
これらの条件で年齢や性別に関係なく何人かリストアップした中で、一番適任だったのが井上でした。若手である、女性であるというのは、あくまでも結果論です。もともとIBMでは企業文化として年齢を重視しません。
―― 日本企業の中にあっては、社長候補のリストに若い女性が載ること自体、まだ珍しいこと。こういった経営判断をする社長がいることは、若く優秀な人材に選ばれる企業の条件となりますね。
PM、POとして官公庁の大型プロジェクト案件を担当
―― 井上さんのこれまでのキャリアを教えてください。
井上 入社以来、主に官公庁を担当してきました。2011年には官公庁デリバリー部長に就任し、それ以降も官公庁、自治体、教育関連など公共のお客様のプロジェクトを担当してきて、プロジェクトマネジャー(PM)やプロジェクトオーナー(PO)として大規模な社会インフラの変革などを実現してきました。