日々の仕事でリーダーシップをとれば自分も組織も成長

佐藤 新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻など、ますます不確実性が高まる激動の時代のなかで、ダイバーシティ&インクルージョンの推進が企業の成長や経営に与えるインパクトをどう考えるか、あらためてお聞かせください。

鈴木 顧客に提供できる価値を高めるにはイノベーションを起こさねばならず、多様性が大前提となります。また、不透明性が高まることで、より多くのダイバース(多様)な視点も必要になってきます。そもそも人は多様ですから、女性活躍に限らずすべての人の能力が生かされるインクルーシブなカルチャーをつくることが究極の目的です。それによって、すべての人の能力が最大限発揮されるような風土をつくることが、会社にとっても社会にとっても重要だと考えています。

佐藤 日本のジェンダーギャップ指数はなかなか上がりませんが、日本社会にはどんな取り組みが必要でしょうか。

鈴木 大企業の取り組みが重要だということは、各企業の経営トップも認識しています。ただ、これからは「How(どのように)」の部分が重要になってきます。壁はありますが、動き出さないと何も始まらないので、勇気を持って取り組みを進めなければいけません。

 性別という属性は分かりやすいので、(男女平等などを)追及する企業は多いのですが、本来、人間はみな違うのだから、ダイバース(多様)ではない状況自体がそもそも不自然なのです。男女に限らずすべての人が尊重されて能力を発揮できる、自然な状態を早くつくりたい。そのためには、「社会全体をよくする」という共通の目標に向かって、(企業の枠を超えた)横の連携も必要でしょう。どの会社も悩みや課題を抱えていると思いますが、弊社はこれまでの取り組みを通じてラーニングしてきたことも多いので、必要に応じて我々の知見をシェアし、一緒に取り組んで日本社会の発展に貢献していきたいと思っています。

パネルディスカッション終了後、「女性が活躍する会社BEST100」1位の資生堂に記念のトロフィーが贈られた
パネルディスカッション終了後、「女性が活躍する会社BEST100」1位の資生堂に記念のトロフィーが贈られた

 前編「女性が活躍する会社、1位の資生堂が語る育成の舞台裏」も併せてお読みください。

 

文/加納美紀 構成/岩井愛佳(日経WOMAN編集)