男性育休の課題は全世界共通

塚越 年配の男性管理職になるほど「自分は育休なんて取らずにやって来た。特に取る必要はないだろう」「妻が家にいるんだろう。何で男がわざわざ取る必要があるんだ」「生まれたばかりの子どもには母親が必要であって、男なんか育休を取ったって役に立たない」「家族としての責任なら、父親は稼げば十分なんだ」とか、古い価値観から発言しがちです。

 一方、新入社員の7~8割は「男性育休を取得したい」と言い、取得できると期待して入社してきます。ただ、日本では経営を担っているのが50~60代の男性が多いので、ギャップがあります。

 また、男性の育休取得を推進するのはもちろんですが、女性社員が簡単な仕事ばかりしていたら、育休中の男性社員の仕事をフォローできません。女性の登用も進めるべきです。この辺りは女性活躍推進でもさんざん言われてきたことなので、今まで真剣に女性活躍推進に取り組んできた企業は、困らないかもしれませんね。

「女性社員が簡単な仕事ばかりしていたら、育休中の男性社員の仕事をフォローできない」(塚越さん)
「女性社員が簡単な仕事ばかりしていたら、育休中の男性社員の仕事をフォローできない」(塚越さん)

ステファニー 男性が育休を取得する際の課題は世界共通です。それでも、男性が育休を取るのは大事です。なぜなら、女性が育児・家事をパートナーと分担できるだけではなく、男性側も父親として素晴らしい体験をし、多くのことに共感できるようになるからです。そして、共感があれば、誰かが職場で「保育園のお迎えに行くときに、同僚からの少し冷たい視線を感じる」といったことも、聞かなくなるのではないでしょうか。

 日本の男性育休制度はユニセフ(国連児童基金)が「世界1位」と認めたのに、もったいないですね。実際に男性が取得できるようにするには、法改正も含めて、企業の中で活用できるような環境づくりが必要です。

塚越 本当にそうですね。制度自体は世界ナンバーワンなのに、取得する人が13.97%(2021年度)。「もう、逃げずにやりませんか」というのが私の正直な意見です。

羽生 今回の法改正による組織内のドタバタは、育休ママが増えてきた10年くらい前の状況を見ているようです。男性育休だけを進めるのではなく、その裏にある「働き方改革」「女性の登用・育成・活躍」を今一度、振り返って進めていくことが大切ですね。

 そして、次のテーマがまさに「女性活躍」に関する部分ですが、先ほど、まだまだ金融業界、特に運用部門では女性のトップが少ないと聞きました。