順位を100番くらい上げてやる、という強い気持ちが必要
―― 一方で雇用の流動性を高め、性別や年齢に関係なく、キャリアを継続しやすい環境を整える必要がありますね。
出口 もちろんです。団塊世代は各年齢で200万人前後いる一方、新社会人は年100万人程度。中長期的にみれば構造的な労働力不足があるわけですから、今ほど雇用の流動化に踏み出しやすいときはないはずです。あとはシュレーダーのような国家100年の計を考える政治家がいるかいないか、それを応援するメディアがあるのか、という問題ですね。
―― ありがとうございました。出口さんが具体的に提示してくれた課題を解決しながら、ジェンダー・ギャップ指数121位という現状を変えていきたいですね。
出口 本当に121位という状況は恥ずかしいですよ。順位を100番上げたとしても21位で、G7どころかG20にも入れないんですよ。100番くらいこの10年ぐらいで上げてやる、そんな強い気持ちで取り組むことが必要です。
■1ページ目、本文の表現を一部修正しました。(2020年9月29日)
出口治明
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
立命館アジア太平洋大学(APU)学長

構成/久保田智美(日経xwoman編集部)