理事の半数を女性に――。国立大学で初めてともいわれる大胆な改革を主導したのが、2021年4月、東京大学第31代総長に就任した藤井輝夫さんだ。東大の学部入学者の女性比率は2割程度。「男性の大学」というイメージが強い同大学を、どのように変えていくのか。藤井さんと、同大学でダイバーシティを担当する理事・副学長の林香里さんを迎え、東大が目指す姿について、日経xwoman編集委員の羽生祥子が聞いた。

写真右から、東京大学理事・副学長の林香里さん、東京大学総長 藤井輝夫さん、日経xwoman編集委員 羽生祥子
写真右から、東京大学理事・副学長の林香里さん、東京大学総長 藤井輝夫さん、日経xwoman編集委員 羽生祥子

多様性確保という課題にしっかり向き合う

日経xwoman編集委員 羽生祥子(以下、――) 藤井総長は2021年4月に「理事の半数を女性にする」という多様性改革を打ち出し、大変注目を集めています。その背景や目的、総長が期待することは何でしょうか。

東京大学総長 藤井輝夫さん(以下、藤井) 大学としてより高いレベルで活動する上では、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は欠かせません。私自身の研究者としての活動経験からも、ジェンダー平等やダイバーシティの重要性は非常に強く感じていました。国際的な学会や研究機関などに行くと、活躍している女性が多いですし、研究組織の中心的な部分に女性をもっと入れたほうがいい、という議論もありました。私も総長に就任し、大学全体を見る立場になったからには、多様性確保という課題としっかり向き合ったほうがいいと思いました。

 ただ、最初から「女性を半数にしよう」と決めて動いたわけではありません。どの仕事を誰にお願いするか決めていく中で、適任の人にお願いした結果、女性が過半数(2021年4月1日時点)という布陣になりました。

 また、ダイバーシティを実現するには、ジェンダー平等だけでなく、バリアフリーや外国人留学生のケアなど、さまざまな課題があります。その辺りにも大学として光を当てたいですね。

―― 林理事はダイバーシティと国際分野を担当するということですが、総長は林理事にどんなことを期待していますか?

藤井 林先生とは2012年に、総長補佐という役職を一緒に務め、こうしたダイバーシティやジェンダーの問題に見識があることは存じ上げていました。また国際担当をしていましたから、外国人教職員及び留学生のケアについても知恵を貸していただけます。具体的な今後の取り組みは、林先生と相談しながら、というより林先生が中心となってどんどん進めていってほしいですね。

―― 理事の半数を女性にする上で、適任の女性を探すのが大変だった、ということはないですか。また、企業などで女性を引き上げようとすると、男性からやっかみや反発を受けるという話を聞くこともありますが。

東京大学
藤井輝夫総長も登場!

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