理事の50%以上を女性に――。国立大学で初めてともいわれる大胆な改革を主導したのが、2021年4月、東京大学第31代総長に就任した藤井輝夫さんだ。「女性管理職が足りない」という企業側の声に対し、人材を送り出す側の教育機関はどう対応するのか。藤井さんと、同大学でダイバーシティを担当する理事・副学長の林香里さんを迎え、東大が目指す姿について、日経xwoman編集委員の羽生祥子が聞いた。

写真右から、東京大学理事・副学長の林香里さん、東京大学総長 藤井輝夫さん、日経xwoman編集委員 羽生祥子
写真右から、東京大学理事・副学長の林香里さん、東京大学総長 藤井輝夫さん、日経xwoman編集委員 羽生祥子

卒業生とのネットワークも強みとして生かす

日経xwoman編集委員 羽生祥子(以下、――) 企業にとって人材の多様性確保が命題となる中、経営者からは「女性管理職を目指す女性が増えない」「理系の職種に就く女性が少ない」といった悩みがよく聞かれます。社会に人材を送り出す側の教育機関としてどう対応しますか。大学と企業で連携してできることはないでしょうか。

東京大学総長 藤井輝夫さん(以下、藤井) その意味では、東京大学は2019年に総長が30%Club Japan(*)に加盟しています。また、2021年3月の国際女性デーに絡んだイベントには、味の素の西井孝明社長をお招きし、座談会を行いました。方向性の合う企業の方々と、一緒に取り組み、可能性を広げていければと思っています。

東京大学理事・副学長 林香里さん(以下、林) 東京大学の卒業生には企業で活躍している方が多いので、卒業生とのネットワーク強化にも取り組みたいですね。東大卒の女性向けの同窓会、「さつき会」のつながりを生かして、海外で活躍している方をゲストスピーカーに招いて学生向けのオンラインイベントを開くなど、交流を活性化していく計画をしています。企業や官公庁で働く人とのつながりができますし、学生にとってうれしい刺激になるのではないでしょうか。

―― そうそうたる方々のお話が聞けそうですね。こうした取り組みが外から見えると、東大に入りたいという女性が増えそうです。

藤井 さつき会は米国にもあるんですよ。有意義なネットワークに入る機会があるということも1つの魅力になるでしょう。

東京大学
藤井輝夫総長も登場!

9月17日(金) 10:30~
日経SDGsフェス
「ジェンダーギャップ会議」
~本気の多様性確保に向けて~

*30% Club Japan…取締役会など意思決定機関に占める女性比率の向上を目的とした世界的キャンペーンの日本版。メンバーは企業のCEO、会長、ボード議長、または同等のポジションの人など。