2020年9月に開催された日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト「ジェンダーギャップ会議」。「多様性のある組織が勝つ! 女性リーダーを増やす企業の戦略」と題したセミナーには、Web上で約4500人が視聴し、100もの質問や意見がリアルタイムで寄せられました。パネリストは、千葉銀行 取締役頭取 佐久間英利さん、花王執行役員 石渡明美さん、進行は日経xwoman総編集長 羽生祥子が務めました。イベントの内容を抜粋して上下で紹介します。

男性同士の「忖度文化」への違和感

右から、花王執行役員 石渡明美さん、千葉銀行取締役頭取 佐久間英利さん、日経xwoman総編集長 羽生祥子

日経xwoman総編集長 羽生祥子(以後、――) 本日は、女性活躍推進で実績と行動力を伴うゲストお二人を招き、企業の具体策を聞いていきます。佐久間英利さんは1976年に千葉銀行に入行し、2009年に頭取に就任されました。4000人以上の行員を抱える大企業のトップとして、地銀業界のリーダーとして、どのように女性活躍を進めてきたかを伺っていきます。

 石渡明美さんは1985年に花王に入社され、花王生活科学研究所、商品開発部を経て、さまざまなリーダー職を経験しています。プライベートでは30歳前後のお子さんお二人のお母さんでもあります。

 花王グループは現在、約3万4000人の社員を抱え、女性比率が49.6%。男女比はほぼ半々です。こうした大企業の中でキャリアアップしてきた秘訣を教えてください。

 さて最初に、日経xwomanによる調査を紹介します。組織で働く女性たちが職場で感じる「ジェンダーの壁」を聞いたところ、働く女性を中心とした10~70代の約1800人から回答を得ました。「政治家、経営者、管理職などのリーダー職に、女性は向いていると思いますか?」という質問には、「男性と女性で、向き不向きは変わらない」という意見が68.8%となり最多に。皆さん、性差ではなく個性が重要であると感じていることが分かりました。

 さらに、「働き方改革や女性活躍が以前より進んできていますが、いまだあなたが組織で感じる『女性が働く上での障害や壁』は何でしょうか」と尋ね、複数の選択肢から当てはまるものを選んでもらったところ、一番多かったのが「性別や年齢、価値観の多様性(ダイバーシティ経営)の効果が理解されていない」で、59.7%となりました。

 2番目に多かったのが「男性同士の『忖度文化』。違和感がある」で42.1%、3番目が「女性で働き続けている人の絶対数が少なく、女性同士のネットワークが弱い」41.1%となりました。

今なぜ、ダイバーシティ経営が大事なのか

「千葉銀行が本気で女性活躍に取り組んでいる理由を2つお話しします」(佐久間さん)

―― この調査結果をもとに、ここからはパネルディスカッションで討論していきたいと思います。

 1つ目の質問は、読者の声にもありました「多様性、ダイバーシティ経営の効果を理解していない人へ、考え方を教えてください」です。千葉銀行は「女性の権利+経営戦略」「営業などコアなビジネス部門にも女性を配置」というキーワードを挙げていますね。これについて詳しく教えていただけますか?

千葉銀行 取締役頭取 佐久間英利さん(以下、佐久間) まず、私たち千葉銀行が本気で女性活躍に取り組んでいる理由を2つお話しします。