――木島さん自身の強み・弱みとは何なのでしょう。

木島 私の強みは「やらなければならないことをやり遂げる力」だと思っています。小さなことも大きなことも、やるべきことを着実に遂行していく。一方、論理的に戦略を練るのは苦手。戦略策定の資料を作成しようとすると、なかなかはかどりません。

 でも、弱みは気にしない。自分にできないことは人にやってもらうのが一番だと、つくづく思っています。社内にはいろいろな得意分野を持つ人がいるから、苦手なことは得意な人に教えてもらえばいいし、任せてしまってもいい。そのうえで自分は総合的な判断をすればいい

 2018年に当社が日本法人化をするにあたり、私が日本側をとりまとめるリーダーを務めたのですが、会社法とか税法とか、全く畑違いで本を読んでも理解できないことが山ほど。そのときも、その領域に詳しい人たちに助けてもらいました。

 ただ、専門家が主張することでも、「それっておかしくないですか」ということははっきりと述べていました。それを言えるのが私の強みだから。

 「自分にはできないんじゃないか」と尻込みするのではなく、弱い部分は人に任せて、自分は強い部分を担い、「チーム」でパフォーマンスを発揮していけばいいと思います。

管理職に問うた、「あなたがすべきことは何か」

――女性を対象とした研修や候補者の育成以外には、どんなことに力を入れたのですか。

木島 女性たちをマネジメント・育成する立場にある管理職の意識改革を行いました。

 先ほど触れたとおり、取り組みを開始した頃は「今のポジションのままでいい」という女性が多かったのですが、管理職も「それでいいんじゃないか」と、ある意味「理解ある上司」になってしまっていたんです。

 育児中で時短勤務をしている女性には、時間内で終わるレベルの仕事をアサインしてあげるのが本人のため……そんな不要な配慮もありましたね。部下を何らかのポジションに就けるとき、「こういう業務は男性」「この業務なら女性」と発想しがちだった。

 そうしたバイアスを取り払い、「上司としてやるべきことは何か」に向き合ってもらうための研修を、かなり力を入れてやりました。女性活躍推進の意義を理解し、女性を含めて部下を育てることが管理職の役割であると意識付けしたのです。また、意識するだけでなく、実際に行動に移したかどうかを評価項目に加えました。

 どの対象層の研修においても、プログラムはどんどん進化させています。対象者とそのときの環境に合わせて、プログラムは常に改善や開発を行っています。ダイバーシティに関する研修は「何のためにやるのか」をとことん突き詰めて考えていますね

「管理職候補の女性を対象とする長期スパンの研修では、 本人・上司・講師・ダイバーシティ推進部長の4者面談も定期的に実施しています」(木島専務執行役員)
「管理職候補の女性を対象とする長期スパンの研修では、 本人・上司・講師・ダイバーシティ推進部長の4者面談も定期的に実施しています」(木島専務執行役員)