パトリック 障がい者への支援も強化しており、東京で開催されたパラリンピックに手厚い支援を提供できたことを誇りに思っています。さらに、社内外においてLGBTQへの理解促進を明確に打ち出しており、同姓婚についても働きやすい環境づくりを行っています。

 日本で、ジェンダーに関する透明性をどう高めているかについてお話しします。2020年12月時点の女性社員比率は42.2%です。女性管理職比率を見ると、課長職以上は32.7%(2021年3月時点)で、上級管理職(シニアリーダー以上)は28.1%(2019年12月時点では16.7%)となっています。

 リモートワークやスーパーフレックスタイム(コアタイムなし月勤務時間)の制度やベビーシッターを利用する制度を導入するなど、女性社員の働きやすさを促進しています。

 また、LGBTQに対する支援も提供しています。同性パートナーも配偶者とみなすよう就業規則を改訂し、日本コカ・コーラ単体だけではなく、コカ・コーラシステム6社についても整備を完了しました。同性結婚の法制化を求める企業を募るキャンペーンにも賛同しています。性的少数者の情報発信拠点「プライドハウス東京レガシー」への協賛も行っています。

羽生 企業の多様性として、ジェンダーに限らず、若手、障がい者、LGBTQなど、さまざまな幅広い取り組みがされていますが、石塚さんはこの取り組みをどう評価していますか?

日本経済新聞社編集委員 石塚由紀夫(以後、石塚) 個人的な話ですが、20年ほど前に私は出張で米ジョージア州アトランタ市を訪れたことがあります。オフタイムに足を運んだ場所が2カ所あり、その一つがコカ・コーラ本社でした。そこでは世界中のコカ・コーラを飲むことができました。もう一つが、米公民権運動の黒人指導者マーチン・ルーサー・キング牧師の生家でした。アトランタ市自体が多様性を尊重する地域性があるということを感じました。そこに拠点を持つのが、多様性を尊重するコカ・コーラなのですね。

家族も多人種、多言語 ステレオタイプはない

羽生 では次に、ステファニーさんから日興アセットマネジメントの取り組みを紹介してもらいましょう。

日興アセットマネジメント常務執行役員 ステファニー・ドゥルーズさん(以後、ステファニー) 私のバックグラウンドも多様性に富んでいます。子ども時代にはイタリアの学校やアラブの英語学校など、いろいろな学校に通いました。その結果、さまざまなツールを手にすることができました。英オックスフォード大学で経済学を学び、米ハーバードビジネススクールで修士号を取得して、英国ロンドンでモルガン・スタンレーやバークレイズに勤務し、2015年に日興アセットマネジメントに移りました。

 プライベートでは、3人の子どもを持つシングルマザーであることを楽しんでいます。保護犬を飼い、動物愛護にも取り組んでいます。子どものうち1人は養子でグアテマラ出身です。私の家族も多人種、多言語ですから、ステレオタイプは全くありません。こういう環境で、子どもたちはさまざまな視点から物事を見ています。私は自分が情熱を傾けているものを何とか両立させるというかたちでキャリアを重ねてきました。