2021年9月17日にオンラインで開催された、日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトの「ジェンダーギャップ」会議。「本気の多様性確保に向けて」をテーマに開催されたこのイベントの冒頭では、2021年4月に「執行部の半数を女性に」という多様性改革を打ち出した東京大学の藤井輝夫総長が、基調講演を行いました。リポートをお届けします。
「多様性と包摂性」で、世界の誰もが来たくなる大学に
本日は、多様性を基盤とすることがなぜ重要か、をテーマにお話をしたいと思います。東京大学では2021年の4月当時、執行部の過半数を女性に務めていただくことになりました。大学を運営する上では、多様な意見を交わしながら進めていくことが重要だと考え、適任の方に仕事をお願いした結果でした。
東京大学の運営にあたり重視したい基本方針の一つは、「対話と共感」。もう一つは「多様性と包摂性」です。学内外の皆様との対話によって共感を広げ、多様なものを包摂し受け入れ、世界の誰もが来たくなる大学を作っていく。そうした考えを通じて、人類が直面している課題に貢献したいと考えています。
私は、“Diversity is a key to breakthroughs”(多様性は障壁を突破するための一つの鍵だ)と考えています。
しかし、内閣府の資料によると、研究者に占める女性の割合は16.9%。OECD諸国と比較すると、日本は特に女性研究者の割合が少ないという状況です。

引用/内閣府男女共同参画白書 令和3年版