女性研究者のポジションにも課題

 国際的には、女性研究者は数多くいますが、なかなか組織の代表になれなかったり、学会で基調講演をする女性が少なかったりするという課題があります。私の専門である「応用マイクロ流体システム」と深く関係する国際学会、Chemical and Biological Microsystems Society(CBMS)でも、この問題を解決しようと取り組んできました。

 2017年当時、CBMSにおける女性のボードメンバーは10人中2人でしたが、私がCBMSの会長を務めた2017年~2019年の間に、女性ボードメンバーは12人中5人まで増加しました。現在は会長と副会長ともに女性が務めています。

誰もが同じ音を歌っているとハーモニーにはならない

 私が東京大学生産技術研究所の所長を務めていた2017年には、英国のRoyal College of Art(RCA)と連携協定を結び、東大駒場リサーチキャンパス内に「DLX Design Lab」を設立しました。科学者とエンジニア、デザイナーがコラボレーションし、革新的な製品やサービスの試作をする場所です。多様な国籍、経歴、専門性を持つメンバーが集まり、さまざまなアイデアを議論することで、より高いレベルのアウトプットを生み出せるということを、この活動を通して実感しました。

 RCA の言葉を借りれば、“You don’t get harmony when everybody sings the same note”(誰もが同じ音を歌っているとハーモニーにはならない)ということです。