女性を含むスタートアップの活動を積極的に支援

 もう一つ、東京大学ではスタートアップ支援を強化しています。2020年時点で、東大発のスタートアップ企業は400社を超え、上位5社の時価総額の合計は1.4兆円となりました。本郷キャンパスの周囲に、起業家、投資家、アクセラレーターをさらに呼び込み、東京発・世界で活躍できるスタートアップの育成を目指します。

 400社超が調達している資金の規模は2020年時点で合計3000億円程度ですが、これを2030年には、「企業数700社・資金調達規模1兆円」に拡大したいと考えています。欧米の大学はもっと先を進んでいます。スタートアップが世界に進出するにあたっては、やはり国際的に活躍する女性の存在が重要です。私たちも女性の学生を含むスタートアップの活動を積極的に応援していきます。

東大による「世界を視野に入れた起業家支援」プレゼン資料。2030年に東大関連スタートアップ規模の目標を、資金調達規模1兆円、700社と言及

 「多様性と包摂性」を推進する上で大事なことは、「多様な人が集まって同じ課題に取り組むことで、より高いレベルの、共感性の高い解が得られる」ということです。より多くの女性の学生に来てもらい、巣立った後も社会の中で活躍できるように、ぜひ産業界の皆さんとも一緒に取り組んでいければと思っております。ありがとうございました。

文/久保田智美(日経xwoman編集部) 写真/鈴木愛子