管理職層における女性人財のパイプラインを形成していく

――Aflac Women Leadership Training(AWLT)という女性管理職のコミュニティにも参加しているそうですね。

田中 2018年に始まった、女性の部長、課長が参加する自発的な活動です。今後、女性社員の育成・登用を加速させ、管理職層における女性人財のパイプラインを形成していく必要があります。AWLTはそのための活動です。現在は100人ほどのメンバーが参加しています。

 AWLTでは、メンバー自身が必要と思うプログラムを自主的に企画・運営しており、役員を囲んだ座談会や、部下の育成法などテーマごとのワークショップの開催、社外の女性役員による講演会などを開催しています。メンバー同士が情報交換できるチャットもあります。

「未来年表」でキャリアプランを可視化

――田中さんは、働く女性にとって、良いロールモデルだと思います。働いている女性たちにキャリアに関するアドバイスはありますか?

田中 キャリアは人それぞれだと思いますが、自分にとって一番大切なものの軸はぶらさないことが重要だと思います。そのためには、自分の将来を描く「未来年表」を作るのも良い方法です。

 私は2015年から、自分の過去と未来を「未来年表」にまとめています。何歳でどんな仕事に就きたいか、その目標を書いています。仕事のプランだけではなく、子どもの高校受験や大学受験などのライフプランも書き加えています。ITの分野ではWBS(作業分解図)というプロジェクト全体を細かい作業に分解した図を作りますよね。もともとはその発想で「未来年表」を作り始めたんです。

――すごいですね。未来年表を書いている人はなかなかいません。

田中 未来の計画を並べてみると、今何をしておけばいいかが可視化され、リスクや課題を考えることができます。それが分かれば未来について過剰に心配することなく、チャレンジしていくことができます。

 以前、「未来年表」を上司に見てもらったことがあります。私の年表では部長を10年やる予定だったのですが、「そんなに部長にいるのは長すぎる。成果を出して次のステップに進むか、後輩に席を譲るべきだ」と言われたので、部長の期間を短くして、その代わりに「執行役員」を書き加えました。結果的には「未来年表」の通りになっています。今は執行役員の先は書いていません。そろそろ、その先の未来を考えなければ、と思っているところです。

取材/平田昌信 文/長坂邦宏 写真/木村輝