「男女で区別するなんて時代遅れ」

ファシリテーター・日経xwoman客員研究員 羽生祥子(以下、羽生) 私は以前、マネックスグループの清明さんから一喝されたことがあります。「まだ『女性の活躍』なんて言っているんですか? 今どき男女で区別するなんて、時代遅れですよ」と。

マネックスグループ 代表執行役Co-CEO 兼 CFO/マネックス証券 代表取締役社長 清明祐子さん(以下、清明) そんなにきつい言い方はしていないと思いますが(笑)、3年くらい前だったでしょうか。ちょうどその頃、弊社では、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン=多様性と包摂性)にエクイティ(Equity=公平性)という考え方をプラスした、 DEIという概念を大切にし始めた時期だったので、そのような発言になったのかもしれません。

「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン=多様性と包摂性)にエクイティ(公平性)という考え方をプラスした、 DEIという概念を大切にしている」(清明さん)
「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン=多様性と包摂性)にエクイティ(公平性)という考え方をプラスした、 DEIという概念を大切にしている」(清明さん)

清明 私たちの会社は男女だけでなく、国籍や年齢の多様性も大事にしていますので、「女性活躍推進」の組織はありませんし目標値もありません。現在、女性社員の割合は約4割、女性管理職比率は3割超です。公平性という観点から、ペイギャップの開示もしています。

羽生 清明さんが社長になって3年目ですね。ダイバーシティを推進する上での「壁」はありますか?

清明 公平性を保つには企業文化が大切ですが、文化は勝手にできるものではない。会社のルールや人事評価を、時代に合わせて発展させていく必要があります。

 ときどき、「どうやったらチャンスを手にできるのか」と聞かれることがあります。私は2001年入社で、企業が積極的に総合職を取り始めたころと重なり、新しいチャンスが巡ってきやすい環境ではありました。けれど、他の人と少し違ったのは、何でも興味を持って「自分事」にできたこと、そして問題解決力があったことだと思います。問題解決力とは、その課題について詳しい人を巻き込む力です。すべてを完璧にできる人は1人もいません。

 私は今でも、「できない」「分からないから教えて」と毎日のように言っています。そしてみんなと一緒に解決する。性別にかかわらず、若い社員が「私もやってみよう」と思えるような空気をつくることが、企業文化にもつながっていくと思います。