D&Iは企業変革にとって必要

羽生 さて、お待たせいたしました。ファイントゥデイ資生堂の取り組みについて、小森さん、教えていただけますか。

ファイントゥデイ資生堂 代表取締役 社長 兼 CEO 小森哲郎さん(以下、小森) 私は1984年に新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入り、アスキー、カネボウの社長、プロ向けの建材小売店の経営などを経て、現在に至ります。いろいろな業態で仕事をしてきましたが、女性は皆、優秀です。採用の面接をすると女性のほうが必ず点がいい。環境次第で、女性が活躍する場はいくらでもつくれると確信をしています

 カルチャー、運営システム、人事制度の問題……いろいろな課題があり、結局は企業変革という大きなフレームワークのなかにD&Iを位置づけるのが正解だと思っています。

「いろいろな業態で仕事をしてきたが、女性は皆、優秀」(小森さん)
「いろいろな業態で仕事をしてきたが、女性は皆、優秀」(小森さん)

小森 当社は、資生堂の日用品事業を引き継ぎ、21年7月に発足しました。約1000億円の事業規模があり、売り上げの50%は日本以外のアジア各国です。大企業のたたずまいでありながらスタートアップでもあり、数年後にIPO(新規株式公開)を目指しています。

 おかげさまで日本では社員の4割が女性、中国では6割、中国以外のアジアでは8割が女性です。ドラッグストアなどへの営業、商品企画、サプライチェーン、工場など、女性抜きではとても考えられないし、ダイバーシティは日常茶飯事です

羽生 その中で一番力を入れている取り組みは?

小森 みんなが「課題解決」をできるようにすることです。組織に、自律的な課題解決のガバナンスが根付けば、課題が変わっても、どんどん課題解決は進むはずです。課題というのは、部門や職位をまたいだものであることが多い。ですから透明性を確保するため、年に3回、全社員へのサーベイを実施し、全社員の声に経営陣が一つひとつ返事を書いて公開しています。同時に、トップではなく社員が自律的に課題解決できるプラットフォームをしっかりつくっていく。こうしたなかで、D&Iに関する課題も解けていくでしょう。

羽生 他社からも御社に憧れる女性社員がたくさん出てきそうですね。

 【1】社長・役員16人が熱く語った!多様性推進の壁と本音と併せてお読みください。

構成/久保田智美(日経xwoman編集部) 写真/鈴木愛子