D&Iの面白みを役員と社員の双方が体感
ファシリテーター・日経xwoman客員研究員 羽生祥子(以下、羽生) ここからは、参加されている役員の皆様から一言ずついただきたいと思います。
伊藤忠商事 執行役員 人事・総務部長 的場佳子さん 多様性が企業の発展に不可欠という考えの下、2003年からダイバーシティ施策を実施してきました。2010年からは、全社員の労働生産性を上げるための働き方改革を実施しています。2021年10月には、取締役会の任意の諮問委員会という位置づけで、女性活躍推進委員会を立ち上げました。女性管理職は2021年の35人から2022年は46人に増加しています。また朝型フレックス制度と、全社員への在宅勤務制度を導入。現在、社員の半数以上が朝8時前に出勤していますし、早く帰れる人は15時に退社することも可能です。

MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス 執行役員(ダイバーシティ&インクルージョン)本島なおみさん 「中高年の意識変革」が必要だということですが、当社では、D&Iの面白みを役員と社員の双方が体感するための取り組みを行っています。役員が数人の社員に対して半年間のゼミを行います。フラットな論議を通じて、D&Iの面白さを体感してもらい、インクルーシブなリーダーシップを広めていくことを目指しています。

エリクソン・ジャパン デジタルサービス・ジャパン統括本部長 アドリアーナ・ガリードさん 女性をサポートする社内カルチャーをつくるため、Women Forumという組織を作りました。これはトップのサポートを受けながらボトムアップで活動する組織です。加えて、フレキシブルな働き方で家庭生活と両立しながらキャリアを伸ばせるような労働環境の整備、女性のリーダーシップのためのトレーニング、女性の採用促進にも取り組んでいます。

損害保険ジャパン 取締役 常務執行役員 [CHRO・CSuO] 酒井香世子さん 当社は社員2万3000人のうち6:4で女性が多い会社です。女性活躍という文脈ではなく経営戦略としてD&Iに取り組んでいます。ここからスピードを上げるには、男性の巻き込み、トップの巻き込みが重要です。このため今年度から、スポンサーシップの要素も含んだメンター制度を始めました。役員と部店長がメンターとなり、育成に積極的に関与しています。
