管理職との対話やメンター制度は効果があった
大和証券 常務取締役 人事担当 白川香名さん 当社では様々な取り組みを実施してきましたが、女性の上位ポストへの登用はまだ道半ばです。リーダーシップの在り方や、ポストに求められている資質について、ゼロベースで見直しを実施。具体的に評価・登用基準を見直すことで、アンコンシャス・バイアスの払拭を図っています。ポストへの登用に向けて、パイプラインの見える化が重要であり、一人ひとりの働きぶりなども経営トップへ直接伝え、具体的なアクションにつなげています。

東京海上ホールディングス 執行役員 人事部長 兼 グループダイバーシティ&インクルージョン総括 鍋嶋美佳さん D&Iの推進は成長戦略、経営戦略の1丁目一番地で、トップの強いコミットメントで推進しています。女性だけでなく一人ひとりが自分事として取り組むことが課題です。効果があった取り組みの1つは、マネージャーとの対話会。全国の現場にいるマネージャーたちに向けて、一人ひとりに適切な役割を与えて、鍛えて育てていくことが大事であることを人事担当役員から直接伝えました。それからメンター制度は、メンターにとっても女性の視点や悩みを学ぶ機会になり効果的です。

日東電工 専務執行役員 人財本部長 大脇泰人さん 当社はスマートフォン用部材、コロナワクチン向け免疫補強材、お掃除用の「コロコロ」まで、幅広いビジネスを展開しています。海外の売上比率が約8割、海外の従業員比率も6割を超えており、DE&Iの推進は必要不可欠です。経営層からDE&Iの重要性について語っていくことを推進していきたいです。化学メーカーですが、女性だけの製造現場をつくってみよう、という試みも進めています。誰にでも優しく、多様性を尊重し、生産性を向上させた製造ラインです。事業と結びつける形でDE&Iを推進していきたいと思います。

明治安田生命保険 執行役員 人事部長 片山圭子さん 生命保険会社には目に見える商品も工場も無い一方で、長期の生命保険契約を通じてお客様を守る大事な使命があります。「人財」が最も大事であり、経営戦略としてD&Iを進めています。現在の女性管理職比率は34.1%。職員の約9割が女性なので、計画的に登用しています。課題は、課長層以上のポジションでの女性登用が進んでいないこと。そしてシニアの活躍です。弊社は65歳定年なので、健康で意欲的に65歳まで働いてもらうにはどうしたらいいかを考えています。

羽生 皆様、本日はありがとうございました。
構成/久保田智美(日経xwoman編集部) 写真/鈴木愛子