上司の言葉に救われた
しかし、妻から「2人で一緒に双子の成長を見たい」と後押ししてもらい、さらに私自身、長男の時に、寝返りやハイハイ、つかまり立ちの瞬間をこの目で見ることができなかったので、今回は、子どもの成長一瞬一瞬を近くで見たいという強い思いがあり、1年間の育休を取ろうと決心しました。
職場からどんな反応をされるのか不安でしたが、上司に「双子が生まれるので1年間育休を取らせてください」と相談すると、「大変だろうから」と、本当に温かく後押ししてくれました。さらに、「育休を取ると収入が下がるけど、大丈夫?」と収入面でも心配してくれ、この言葉ですごく救われた気がしました。職場の方々も、「育児頑張ってね。1年後、待ってるよ」と、温かい声をかけてくれました。
自分を『イクメン』だと思っていた
男性の育休取得のメリットについて説明します。まずは、自分や家族にとってのメリットです。1つ目は、子どもの成長をリアルタイムで見守ることができたことです。2つ目に、それまで、家事や育児があまりできませんでしたが、育休を取ることで家事育児の大変さを理解でき、主体的に担うようになりました。そして、育児の大変さを妻と共有することができ、仲が深まりました。
このグラフは育児の感情曲線で、上が私、下が妻のグラフになっています。グラフの曲線が下に行くと、「不満」や「不安」という要素が強くなり、上に行くほど、「満足」「幸せ」といったポジティブな感情になっていきます。
私のグラフを見ると、2015年に長男が誕生してから今に至るまで、少し下がるところはあるものの、だいたい満足していて「幸せ」というグラフになっています。2015年に長男が誕生した時は、育休は取得せず、家事は妻に任せていました。私は長男が生まれ、パパになれたので、感情曲線がグラフの上の位置に来ています。週末はミルクをあげてオムツを替えたりしていました。「本当にそれしかやっていなかった」と後から妻にも言われましたが、それでも自分のことを“イクメン”だと本気で思っていました。
一方、生活スタイルは、長男が生まれてからも、飲み会やテニスも平日は行き放題で、自分中心の好き勝手な生活をしていました。そして双子が誕生し、私自身すごくハッピーな気持ちでいっぱいです。さらに1年間の育休を職場から承認され、ますますうれしい気持ち。しかし、育休をとったとたん、感情曲線がマイナスへと傾きます。