塩村 女性活躍(WIN)指数で評価されている5項目は幅広く、新規採用者に占める女性比率、従業員に占める女性比率、男性と女性の平均雇用年数の違い、管理職や取締役会における女性比率があります。
WIN 指数の評価方法は
5つの項目でスコア化
引き付ける(attraction)、維持する(retention)、昇進させる(promotion)は、雇用サイクルの主要な要素であり、人材を有効活用しようとする企業がフォーカスすべき分野である。女性活躍を支持する企業が取れる手段は多いが、その成果を有効に測定する最も単純で分かりやすい指標は、各雇用段階における女性比率である。他の市場ではこの指標を入手することは難しいことが多いが、日本では女性活躍推進法の施行により、豊富な情報が公開されることとなり、評価しやすくなった。
Attraction(雇用):企業が女性を引き付ける能力を測定
(1)新規採用における女性比率
(2)社員全体における女性比率
Retention(維持):企業が女性社員を継続雇用する能力を測定
(3)男性と女性社員の平均勤続年数の差
Promotion(昇進):企業が女性を昇進させる能力を測定
(4)管理職における女性比率
(5)取締役における女性比率
(GPIF資料『GPIFのESG投資~女性活躍指数を中心に~』より日経xwoman編集部作成)
女性活躍推進を「プロセス丸ごと評価」
―― 性別多様性におけるパフォーマンスを、雇用・継続・昇進の3段階にフォーカスして点数化するのですね。単に新入社員や従業員全体の男女比率だけを見るのではなく、取締役における女性比率まで段階的に評価している。いわば「入り口から出口まで、プロセス丸ごと評価する」という姿勢ですね。
塩村 はい。育成の部分も評価対象になっているという点で、私は非常に日本企業に合った評価方法だと思います。
―― この5項目のスコアが高い企業順に、WIN指数の構成銘柄になるのですか?
塩村 いいえ、他にも評価軸があります。それは、「情報開示」と「女性活躍に関するポリシーやそれを改善する取組み」という定性評価です。