毎年2月最終日は「世界希少・難治性疾患の日」。それに先がけ、2021年12月、一夜限りの音楽イベント「一青窈PAH応援スペシャルライブLive For Hope」が生配信され、多くの方が参加しました。ライブ後にはフリーアナウンサーの木佐彩子さんをMCにお招きし、PAH(肺動脈性肺高血圧症)の患者さんにインタビューして生まれた楽曲「6分」について一青窈さんの想いも伺いました。
一青窈さんが、PAH患者さんの「6分」に想いを馳せて作詞

日本に約 3,900 人の患者さんがいる(※1)「PAH」という病をご存じですか?
PAH(Pulmonary Arterial Hypertension)は、肺動脈性肺高血圧症とも呼ばれる難病のひとつです。女性に多く、主な症状は息切れや疲れやすさなど。進行性であるため、早めの発見が肝心ですが、特徴的な症状がないためほかの病と見分けがつきにくく、なかなか気づきにくいといわれています。
PAHの治療経過をチェックするための検査の一つに、「6分間歩行検査」というものがあります(※2)。病院内の廊下などで、患者さんが「6分間」歩ける距離を計測するというものです。
一青窈さんが作詞を手がけた楽曲「6分」は、そんな「PAH」患者さんの「6分間」に想いを馳せて書き下ろされました。
「6分」のほか、カバー曲や名曲、詩の朗読も披露
2021年12月17日19時から行われた「一青窈 PAH応援スペシャルライブ Live For Hope」。このライブは、PAHをより多くの方に知っていただくため、患者さんやご家族、医療従事者の方に応援を届けるために、無料の生配信ライブとして実施されました。一青窈さんに加え、小西遼さんが主宰する象眠舎のミュージシャンを迎えて催された音楽イベント。始まる前からステージは、心地よい緊張感に満ちていました。
演奏が始まると、キャンドル・ジュンさんによって装飾されたキャンドルのほのかな灯りに照らされて、一青窈さんが登場。まずは、テレサ・テンさんのカバー曲「月亮代表我的心」を中国語で歌い上げ、一青窈さんのデビュー曲「もらい泣き」へ。透き通る声と情熱的なライブパフォーマンスで視聴者を惹きつけます。

その後、MCに移り、「PAH患者さんや、その方たちを取り囲む人々を応援したいという気持ちとともに、この病気を知らない人たちに少しでもPAHを知ってほしいという想いから、このライブが企画されました」と語った一青窈さん。そんな“応援”という気持ちを表すかのように、演奏が再開されると、美空ひばりさんのカバー曲「月光価千金」、台湾を代表するR&B歌手DAVID TAOさんのカバー曲「小鎮姑娘」と、アップテンポな曲を続けて披露。
ライブでは、覚和歌子さんの詩「このたたかいがなかったら」を朗読する場面も。PAH患者さんだけでなく、さまざまな環境に身を置く人々の心に訴えかけるような詩の一節を、一青窈さんが静かに語りかけるように読み上げました。

そして自身の大ヒット曲「ハナミズキ」を披露したあと、PAH患者さんへの想いを綴った最新曲「6分」を熱唱。
「僕の6分を君にあげる トンネルの向こう側で 涙拾うよ」
すべての人に寄り添い励ますような、力強くも優しい歌声と魂のこもったパフォーマンスを届け、ライブの幕が閉じました。

※2「6分間歩行検査」は、PAHや慢性呼吸器疾患、心疾患などの患者さんが受ける検査の一つです。右心カテーテル検査や採血、心エコーなどと共に実施され、6分間歩行検査のみで病気が診断されることはありません。