2017年に、三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂の3社が統合して発足した「三菱ケミカル」。同社は総合化学の力で世界規模の環境・社会課題を解決し、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を表す「KAITEKI」の実現に取り組んでいる。グローバル企業としてダイバーシティ&インクルージョンを推進する同社で、着々とキャリアを重ね、快活に働く理系女性の代表格、鶴田祐子さんと上司の原田靖之さんが、同社ならではのキャリアの重ね方について語り合った。

大学での研究を踏まえ幅広い活躍を希望して就職

 入社20年の鶴田祐子さんは、化学品管理部マネジャーとして海外のメンバーとやりとりしながら法規制対応に従事。プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部の副本部長を務める原田靖之さんは、鶴田さんの所属部署を含む化学品管理および輸出管理関係の業務全体をとりまとめている。

編集部(以下、――) 鶴田さんの入社の経緯と現在の仕事、そして原田さんとの接点を教えてください。

鶴田祐子マネジャー(以下、鶴田) 私は大学で燃料電池の研究開発に携わり、国際学会などで発表する機会にも恵まれました。その経験も踏まえて、海外も含めて広く活躍する舞台を目指して三菱化学(当時)に入社しました。工場での基礎研究や技術営業経験を経て、育休明けから本社で化学品管理の仕事に携わっています。

プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部 化学品管理部マネジャー●鶴田祐子(つるた・ゆうこ)
プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部 化学品管理部マネジャー●鶴田祐子(つるた・ゆうこ)
大学院で燃料電池の研究に従事し、卒業後に三菱化学(現・三菱ケミカル)に入社。触媒、無機材料の研究開発に携わる。2013年、機能商品管理部で化学品管理業務を担当。17年より三菱ケミカル化学品管理部でEU REACH規則を中心にトルコ、UK、EAEU、韓国など国内外の法規動向やコンプライアンス対応に従事。

原田靖之副本部長(以下、原田) 私は農学部出身で三菱化成(当時)に入社し、肥料分野の研究開発を手がけていました。日本化学工業協会への出向を機に化学品管理の仕事に携わり、今もこの分野で格闘しています。鶴田は育休明けに機能商品管理部と兼務で私の部署に合流してきましたが、常に前向きでチャレンジングな姿勢に驚かされてばかり。忙しくても笑顔を絶やさず仕事を楽しんでいるので、鶴田が来てから部内がより明るくなりましたね。

プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部 副本部長●原田靖之(はらだ・やすゆき)
プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部 副本部長●原田靖之(はらだ・やすゆき)
大学農学部を卒業後、三菱化成(現・三菱ケミカル)入社。農業資材関係の開発に携わる。2001年日本化学工業協会・化学品管理部へ出向しリスクアセスメントチームにてリスク評価ツール開発等を中心に従事。05年 三菱化学環境安全・品質保証部へ帰任し、EU REACH規則対応に携わり、17年より三菱ケミカル 化学品管理部化学品規制グループマネジャー。国内外の化学品管理法規関係動向やコンプライアンス対応に従事している。

――ここまでのキャリアは、学生時代に思い描いていたイメージ通りですか?

鶴田 高校時代は工学系志望でしたが、将来像は全然つかめていませんでした。でも大学に入ると、化学の分野は想像以上に広い世界で、「できることが沢山ある」とワクワクしました。大学の理工学部に女子はほとんどいませんでした。三菱ケミカルに入社すると、会議などでも「女性が少ないと不安だろう」と、懇親会などでは他部署の女性を紹介してくれるなど、周囲が気配りしてくれたので、不安を感じることなく会社生活をスタートさせることができました。また、入社から3年間は四日市事業所(三重)で基礎研究に携わりましたが、技術職や事務職などには女性が多く、「化学メーカーは男性社会」というイメージをいい意味で覆されました。