自分らしく豊かな人生を重ねてゆくためには、変化する時代を常に賢く乗り切るマネーリテラシーも重要。そこで、メディアでも活躍する経済アナリストの馬渕磨理子さんと日経BPの佐藤珠希が、働く女性のためのマネー術をテーマに対談しました。仕事や金融の情報収集にパソコンは欠かせないという馬渕さんが手にしているのは、真っ白なボディがスタイリッシュな<YOGA Slim 770i Carbon>。その魅力についても語ってもらいました。
なりたい自分になるために大切なマネーリテラシー
佐藤珠希(以下、佐藤) 働く女性にお金の不安を聞いていると、「将来、年金はもらえなくなるんですよね」など、漠然とした不安を抱いている人が多いのを感じています。最近は食費や光熱費の値上がりも続いていますが、こうしたお金の不安にはどう対処すればいいと思いますか。
馬渕磨理子さん(以下、馬渕) 確かに値上げは生活を圧迫しますし、怯える情報ではあります。でも、値上げがしっかりと行われた先には、賃上げというゴールがあります。目の前の事象を切り取って不安になるのではなく、なぜ起きているのかという全体を把握して、賃金を上げるための1つの通過点なんだと考えられるといいのかなと思います。
不安は、「知らない」とか「分からない」というところから出てくるもの。基礎知識を入れると、そうした不安からは逃れられると思います。人生においてムダなものの1つが、必要のない不安です。自主的に物事が考えられないし、人から言われたことに翻弄されてしまう。知識を身につければ落ち着いて物事を考えられます。必要のない不安から逃れるためにも、ある程度のマネーリテラシーは必要かもしれないですね。

日本金融経済研究所 代表理事 経済アナリスト 公共政策修士/ハリウッド大学院大学 客員准教授
京都大学公共政策大学院 修士課程を修了。トレーダーとして法人の資産運用を担う。その後、金融メディアのシニアアナリスト、FUNDINNOで日本初のECFアナリストとして政策提言に関わる。現在は、一般社団法人日本金融経済研究所 代表理事。フジテレビ、テレビ東京、日本テレビ、BS朝日、読売テレビ、日経CNBC、プレジデント、ダイヤモンド、Forbes JAPAN、SPA!などで活動。ラジオレギュラー番組3本
佐藤 馬渕さんは、働く女性にどんなマネーリテラシーを持っていてほしいですか。
馬渕 まず、円高、円安など、金融の最もベーシックな用語はビジネスシーンでも役立つので、学んだ方がいいと思います。加えて、NISA(少額投資非課税制度)など個人の資産にかかわる新しい制度についても、ぜひ。理解しにくい面はあるのですが、知識があれば、お金に対する漠然とした不安や必要のない不安は軽減されるので、仕事も人生もより楽しくなるのではないかと思います。
佐藤 最近は、若いうちから老後への不安を募らせ、ひたすら節約して老後資金を貯めているという人も少なくありません。しかし私は、働く女性にもっと今や近い将来の自分の人生を豊かにするためにお金を使ってほしいと思っています。馬渕さんご自身は、どのようにお金とお付き合いしていますか。
馬渕 今現在は、2022年に立ち上げた日本金融経済研究所という社団法人の運営にお金を使っていますね。日本の中小企業が企業価値を上げるために、投資家とどういったコミュニケーションをとればいいのかについて研究を行い、論文執筆のほかさまざまな活動をしています。そのため、これまで貯めてきたお金を資本金として投下しつつ、同時に少しずつプールしています。人間、具体的な目標があると、お金は貯めやすいですね。
佐藤 自分がやりたいことは、たとえ小さなことでもモチベーションにつながるし、ゴールがあると具体的なプランニングもしやすいですね。

日経BP ライフメディアユニット長
日経WOMAN編集長・日本経済新聞女性面編集長・日経マネー編集長を経て現職