多様性が求められる時代に、次々と生まれるニーズに応え、新しい価値を創造し続けているのが、東急不動産です。同社では、多彩なライフスタイルをつくり出し、「誰もが自分らしくいきいきと輝ける未来」を実現するために、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組みにも力を入れています。その取り組みを通じて、自分らしく働くヒントを探ります。

D&Iを“当たり前のこと”として捉えていく

 東急不動産ホールディングスは、2030年に向けた長期ビジョン「GROUP VISION 2030」で、「誰もが自分らしくいきいきと輝ける未来」を目指すことを掲げています。

「この目標の実現には、〈ダイバーシティ&インクルージョンの理解・浸透〉が必要です」と強く訴えるのは、東急不動産の代表取締役社長の岡田正志さん。同社では、「経営層のコミットメント」「人材開発」「風土醸成」の3つに取り組むことで、D&Iを推進していく考えです。

<b>岡田正志</b>(おかだ・まさし)さん<br> 東急不動産<br> 代表取締役社長(写真提供:東急不動産)
岡田正志(おかだ・まさし)さん
東急不動産
代表取締役社長(写真提供:東急不動産)

「当社にとって、D&Iは働きやすい環境づくりを目指すだけのものではありません。多様な人々が集まるまちづくりやライフスタイルの価値創造においても、D&Iの観点は不可欠なものです。まちづくりを担う会社として、D&Iをより“当たり前のこと”として考えていく必要があります」

 そのためには、D&Iを他人ごとではなく「自分ごと」として捉えていくこと、普段の生活から「感じる」ことが重要だと言います。

「私は、東急不動産の社員全員が一つの家族だと考えています。家族のように相手を尊重し、思いやりを持って互いの違いや苦労を自然と『感じる』ことで、認め合い、協力し合う風土が生まれ、企業としての持続的な成長につながると信じています」

 トップのこうした理念のもと、社内では多様な発想や価値観が見直され、当事者視点でD&Iに取り組んだまちづくりの事例も増えています。次ページからは、その第一線で活躍する女性リーダーに、自身の経験を生かしたプロジェクトの推進とまちづくりへの想いを聞きました。