1988年に創刊し、今年の4月に35周年を迎える「こどもちゃれんじ」。自身の幼少期に体験した人もいるのではないでしょうか。これほど長い間、多くの保護者から支持され続けてきた背景には、ベネッセコーポレーションの幼児教育への情熱、妥協しない思いと、時代の流れに合わせた進化があります。そんな「こどもちゃれんじ」の“今”を探りました。
「しまじろうパペット」が誕生以来の大リニューアル!
0歳から6歳までの子どもの発達段階に合った遊びや学びを通じて、「やりたい!」という気持ちを引き出し、一生ものの意欲と自信を育む──。これが、「こどもちゃれんじ」が35年前から変わらず大切にしているコンセプトです。

一方で、社会の変化に応じて、進化してきた点も多々あります。その1つが、「こどもちゃれんじ」の象徴的な教材である「しまじろうパペット」。実は2023年(*)、“音声機能の追加”という、誕生以来の大リニューアルを遂げました。そのポイントや背景について、ベネッセコーポレーションの鹿内久美子さんはこう説明します。

こどもちゃれんじ日本事業本部 ナーサリー商品部 部長
「首をふったり、かしげたり、手をたたいたりと、おうちの方が手を入れて動かすことで、豊かな感情表現ができるところが、『しまじろうパペット』の特長であり、ぬいぐるみと違うところです。創刊号から誌面に登場しまして、パペットはお子さまの生活習慣やコミュニケーション力を育む教材として、『こどもちゃれんじ』創刊8年目の1996年に誕生し、以来、ご好評を得てまいりました。
そんな『しまじろうパペット』に、新たに追加されたのが音声機能です。しまじろうがお子さまに話しかけたり歌ったりするほか、お子さまの名前をおうちの方の声で録音・再生もでき、世界に1つの『しまじろうパペット』になります。そして、子どもが自ら主体的に学ぶ姿勢を引き出したり、親子でのやりとりを広げるなど、日々の生活の中により豊かな時間を提供します。
このリニューアルの背景にあるのが、共働き世帯の増加による、幼児と家庭を取り巻く環境の変化です。保護者の方々からの『忙しくて時間がない中でも、子どもの成長にしっかり寄り添いたい』『親がつきっきりになれないときも、子どもがしまじろうと楽しく学べる教材がほしい』といった声を受け、おうちの方の負担を軽減しながら子どもの成長を促すことができる新機能を追加しました」
教材設計において、「こどもちゃれんじ」が重要視しているポイントが、「成長の可視化」であると鹿内さん。
「子どもの成長や発達を、おうちの方が気付けることが大事です。『こんなことができるようになった!』という親の喜びを、『よくできたね、すごいね』と子どもに言葉でフィードバックする、“親子のグッドサイクル”こそが、成長の糧になります。
ただ、忙しい日々に追われて、わが子が初めてできたことや理解したことに、親がなかなか気付けないのが現状でしょう。そこも手助けするのが『こどもちゃれんじ』の役割。今回のしまじろうパペットの音声機能追加も、忙しいおうちの方に、わが子がしまじろうと一緒に歌ったり会話できるようになったことを、聞くことで実感してもらうための工夫です」
