働く女性に多い悩みのひとつが目の疲れです。オフィスやリモートワークはもちろん、移動中でもPCやスマホの画面を見る機会が多い現代では、アイケアは必須の健康管理です。そこで、目の健康維持に役立つ最新事情と、近視や乱視を改善する新潮流となりそうなICL(Implantable Contact Lens)について専門医に聞きました。

目の悩みを抱える働く女性がますます増えている

<b>三木恵美子(みき・えみこ)</b>さん<br> 南青山アイクリニック副院長<br> 眼科専門医<br> 白内障手術をはじめ、斜視や眼瞼下垂、涙点閉鎖など多岐にわたる眼治療を担っている。柔和な笑顔も魅力で、患者さんからの信頼が厚い。日本国内でまだ数少ないICLエキスパートインストラクターに認定されている
三木恵美子(みき・えみこ)さん
南青山アイクリニック副院長
眼科専門医
白内障手術をはじめ、斜視や眼瞼下垂、涙点閉鎖など多岐にわたる眼治療を担っている。柔和な笑顔も魅力で、患者さんからの信頼が厚い。日本国内でまだ数少ないICLエキスパートインストラクターに認定されている

 今日はもう少し頑張りたいのに、目がつらくて仕事が進まない…。そんな経験を持つ女性も多いのではないでしょうか。

「PCなどの使用に伴う疲労をVDT(Visual Display Terminals)症候群と呼びます。テレワークの浸透もあり、近距離でPCのモニターを見る時間が一段と増え、併せてスマホも使うため、眼精疲労を訴える人は急増しています。コンタクトレンズを使用しているとそこにドライアイも加わり、目の疲れに拍車をかけます」。こう話すのは、南青山アイクリニック 副院長の三木恵美子さん。

 そんな三木さんに、働く女性が日常の中で感じているアイケアについての悩みや疑問に答えてもらいました。

── 仕事でパソコンを長時間使用するため、毎日目の疲れを感じています。

A:20~30分ごとにモニターから目を離して休める習慣を

集中するとどうしても作業時間が長くなってしまうため、20~30分ごとに遠くを見て目を休める習慣づけが大切です。反射の少ないモニターやブルーライト対応の眼鏡の使用、部屋の明るさとモニターの明るさに差がないように維持することなども、有用な対策です。

また、目の乾燥が気になるときは、部屋を加湿したり、ドライアイ用の点眼をするほか、蒸しタオルなどで瞼を温めることもおすすめです。水分量が減り、目の粘液と油分との成分バランスが崩れると目が乾きやすくなります。

そもそも、近視、遠視、乱視などの矯正ができていないと、ピントが合わず疲れの原因となるため、まずは、眼鏡やコンタクトレンズの度数をきちんと合わせておくことが必要です。

Q コンタクトレンズを使っています。装着するタイミングは、メイクをする前と後、どちらがよいですか。

A:目の周りと手がキレイなメイク前にコンタクトレンズを
コンタクトレンズはメイクする前に入れたほうがいいですね。レンズの汚れを防ぐためには、アイメイクは少し控えめにしてください。特に、まつ毛の内側にアイラインを引くのはやめたほうがいいと思います。レンズが汚れるだけでなく、皮脂腺のひとつであるマイボーム腺が詰まってドライアイにもつながります。

Q 疲れて帰宅すると、コンタクトレンズを外すこと自体が面倒になりがちで、そのまま眠ってしまうことも。

A:目のトラブル防止には清潔が大事。付けっぱなしで眠るのは禁物!
目に直接入れるものですから、清潔に保つということが大前提です。正しく洗えていないレンズの汚れは感染などのトラブルの原因になります。コンタクトレンズのケアに自信がない方は、使用ごとに処分するワンデータイプを選択しましょう。レンズをつけたまま寝てしまうのは、角膜の炎症、感染症の原因になるため、絶対に避けましょう。