日本では、女性活躍推進という言葉とともに様々な施策が動いてきました。しかし、世界経済フォーラムによる「ジェンダー・ギャップ指数」(2019年)では、153カ国中121位。世界各国と比較すると、特に経済・政治の分野でジェンダー平等が著しく遅れています。なぜでしょうか。

 これまで「ジェンダー平等」というと、あたかも女性支援のためだけの言葉であり、経済や経営とは無関係だと思われてきました。女性という“弱者”を男性が手助けし、力添えしてあげるといった気持ちが、残念ながらどこかにあったように思います。

 しかし、日本の外では今、SDGs(持続可能な開発目標)という共通のゴールを達成するためには、あらゆる「Equality=平等」が組織に不可欠だと重要視されています。各界のリーダーたちは無意識の偏見を解き、多様性(Diversity)・平等(Eauality)・包括(Inclusion)の精神を実行に移しています。経営指針の中核として、組織変革のカギとして、トップが自らの言葉で社内外に発信し始めているのです。一方、日本企業の経営者、特に男性が「ジェンダー平等」を経営戦略だと本心で理解して語ることは、まだまれです。この認識の差が、先進国で最下位のジェンダー・ギャップという結果に表れているのではないでしょうか。

 私たちは今、地球全体を取り巻く未知の病や気候変動によって、解決が困難な問題に直面しています。同じような思考や経験しかないモノカルチャーな集団では、太刀打ちできない場面が増えています。こういった不透明な時代においては、多様性に富む組織が力を発揮するのです。

 これまでは少数派の意見としてテーブルにさえ乗せられなかった声が、突破口となる。大多数の意見とは違う考え方、違う物の見方をすることで、新たな道を拓く力となる。まさに今、組織において必要とされているのが、多様性のパワーだと思うのです。

 そこで、日本経済新聞社・日経BPでは、「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト(WEP)」を創設しました。多様性を実現する上で、まずは日本で最も出遅れている男女平等の問題から取り組みます。本来は、男性・女性と区別すること自体が、Diversity精神にはそぐわないものです。しかし、残念ながら現在の日本は“ジェンダー不平等”な国と世界から評価されています。ですので、この問題から目をそらさず改善させることが第一に重要であり、そこをグローバルのレベルに上げて初めて、他の課題に力強く向き合えると信じています。

 日経WEPの当コンソーシアムでは、加盟企業の皆さまと一緒に、世界の先進企業の事例やノウハウを共に学び、加盟企業の皆様同士でネットワーキングをしながら女性のエンパワーメントを推進していきます。さらに、日経xwomanの各メディア(日経WOMAN、日経ARIA、日経DUAL、日経doors)による企業ランキングの調査や分析も共有して参ります。

「ジェンダー平等を、経営者の言葉に。組織の力に。」

 この志と共に皆様と前進していきますので、どうぞよろしくお願いします。

日経xwoman総編集長
羽生祥子