植物性たんぱく質への注目度が高まる中、日本の伝統食・豆腐が劇的な変化の時を迎えている。この「TOFU革命」をけん引するメーカーの仕掛け人に、豆腐をベースとする植物性たんぱく質の賢い摂り方を聞いた。

製品から原料調達まで豆腐の新時代が到来

 植物性たんぱく質が摂れる「プラントベースフード」が人気だ。大豆ミートなど大豆由来の食品はますます多様化している。こうした動きの中で、日本の伝統食・豆腐も味・形状ともに進化を遂げ、今までの常識を覆す、豆腐ベースの食品がいろいろ生まれている。

 この「TOFU革命」をけん引するのが、一部の製品パッケージにSSAP認証マーク(※)を導入している、老舗豆腐メーカーのアサヒコと相模屋食料だ。

 「TOFU BAR」で知られるアサヒコは、豆腐を主原料とした「TOFFU PROTEIN」シリーズも展開している。同社マーケティング本部の池田未央さんは「『TOFFU PROTEIN』というブランド名には、コレステロールや糖質、環境負荷をOFFし、植物性たんぱく質をINするというメッセージが込められています」と言う。

アサヒコ マーケティング本部 池田未央さん
アサヒコ マーケティング本部 池田未央さん

 「そもそものきっかけは、数年前に米国で『TOFU』(豆腐)が肉や魚と並ぶたんぱく源の一つとして食べられているのを見たことです。日本でも豆腐をもっと手軽に食べてほしいという願いから、製品開発が始まりました」と池田さん。2020年11月に発売された「TOFU BAR」によって、その願いは形となった。朝コンビニで「TOFU BAR」とコーヒーを買って会社に向かう……。池田さんが当初イメージしていた世界が少しずつ現実になりつつある。

 「TOFU BAR」の発売後、「もっと植物性たんぱく質を摂る機会を増やしてほしい」という思いからスタートしたのが「TOFFU PROTEIN」シリーズだ。最初にガパオやタコスなどの「豆腐のお肉」、「豆腐のごはん」といった製品を発売し、続けてスープ、デザートと展開した。

 「アサヒコでは、一度豆腐を作ってから肉やごはんに加工します。豆腐の栄養をキープしつつ、冷めても脂は白く固まらないというメリットもあるので、お弁当にも最適です」と池田さん。この6月からは同シリーズに新たに、スーパーなどでも買える「豆腐バー」も加わった。

※SSAP認証マーク:アメリカ大豆輸出協会が発行する「サステナブルなルールを守って生産された大豆」であることを証明する認証マーク。
(左上から時計回り)TOFU BAR、TOFFU PROTEIN 豆腐のお肉 ガパオ、TOFFU PROTEIN 豆腐バー(バジルソルト風味/旨み昆布)、TOFFU PROTEIN 豆腐のおやつ プリン
(左上から時計回り)TOFU BAR、TOFFU PROTEIN 豆腐のお肉 ガパオ、TOFFU PROTEIN 豆腐バー(バジルソルト風味/旨み昆布)、TOFFU PROTEIN 豆腐のおやつ プリン