充実した制度と柔軟な対応のおかげで安心して働ける
矢部 「時間単位年休制度」も重宝しています。これは有休を1時間単位で使える制度です。私は育児休業から昨年戻りましたが、保育園に入園した頃は子どもがよく発熱して、瞬く間に有休がなくなりそうでした。けれど、通院や保育園からの呼び出しのたびに半休ではなく1時間だけの早上がりができたり、一旦数時間仕事を抜けたりすることもできました。「在宅勤務+時間単位年休」のおかげで、時間を有効に活用でき、「有休がなくなる」という不安からも解放され子育て中の身にはありがたく、安心して働けています。
髙橋 私は、育児休業からの復職の際に、「企業主導型」という制度(※)を使うと入園できる認定外保育園が見つかり、会社に相談しました。当時、始まって間もない制度でしたがすぐに採り入れてくれて、そのおかげで、希望する時期での復職がかないました。育児休業からの復職において、次に続く人の懸け橋になれてうれしく思っています。
大林組には勉強熱心で意欲のある子育て中の女性社員が多い
矢部 勉強熱心な人も多いし、それを後押ししてくれる風土もあります。研究部門は最先端の技術を把握してバージョンアップし続ける必要があり、毎年学会に参加したり論文を発表したりして、多くの人が博士号も取っています。
私は先に一級建築士を取得し、今、大学院の博士課程に通っています。ちょうど大学との共同研究の内容が博士論文としても興味のあるテーマだったので、業務と関連付けながら論文執筆の真っ最中です。出産と重なったのでいったん休学し、21年4月に復学して今が正念場ですが、上司も応援してくれているので何とか今年、卒業したいと思っています。
伊藤 私は一時、子どもの急な手術・入院に付き添うために休職しました。今は元気になってほっとしています。このとき「想定外の事情で仕事を辞めなければならない状況は誰にでもいつでも起こりうる。まだこの仕事でやりたいことがある。後悔したくない」と感じました。小学校に上がるタイミングで再び時短勤務することを想定し、今は保育園の力も借りて仕事を頑張る時期だと考えています。ライフプランに合わせて社内制度を活用し、キャリアを積んでいきます。
澁谷 今日は先輩方の話を伺い、改めてこれからの明るいキャリア展望が描けた気がします。さまざまな事例を作ってくれている先輩のおかげで安心して働けるし、私も後に続きたいと思いました。
取材・文/加納美紀 撮影/洞澤佐智子 構成/太田留奈