「子どもにSDGsといった社会課題に関心を持ってほしい」と思う一方、「生活の中でどう伝えていけばよいかわからない」というパパやママも多いのでは? 日経xwomanのアンバサダー、佐藤ゆいさんは5歳の男の子のママ。日常生活の中で、親子で手軽にできるSDGsに取り組んでいます。「子どもが楽しく、私自身もストレスなくできることが大事」と話すその実践法を聞きました。後半では(株)明治が取り組む、認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえを通じた地域支援について紹介します。
毎日の「当たり前」を見直すことからスタート
佐藤ゆいさんは、魅力構築コンサルタントとして活躍中。
家庭では、親子で試行錯誤しながらも、楽しくSDGsに取り組んでいます。
「子どもの通うインターナショナルプリスクールでは、SDGsについて積極的に学んでいるようで、帰宅後に息子からジェンダーや環境についての話題が出ることも。多彩な国籍のお友だちに囲まれる多様性に最初は戸惑いながらも瞬く間になじむ様子などを興味深く見ています。同時に親も旧来の価値観を無自覚に引きずっていてはいけないなと気を引き締めています」と佐藤さん。日常の中の多様性や生活と環境の関係性など、今まで意識すらしていなかったことについて、いったん立ち止まって考えてみるようにしているそう。
「例えばスーパーの買い物ではついつい安さを重視していましたが、本当にそれでいいのか、その安さは誰かの我慢の上に成り立っているのではないか……といったことも考えるようになりました。最近は少し値段が高くてもフェアトレード製品を選ぶなど、小さなことでも、日々の選択を積み重ね、少しずつでも『誰も無理をせずに幸せでいられる社会』に近づけばと思っています」
SDGsの「自分ごと化」に必要なのは喜びと実感
ただ、現実問題として子どもがSDGsを「自分ごと化」する難しさも感じているという佐藤さん。ともすると子どもは、環境に優しい行動などを教えても、「お母さんがほめてくれるからやる」になりがちです。そのため、佐藤さんは以下の3点を意識して親子でSDGsに取り組んでいるそう。
2.子どもが想像できる身近な場所や内容をきっかけにする
3.行動が結果に結びついた実感を大事にする
「ほめられたいから、ではなく、まずは子ども自身の喜びや実感に変えてあげたい。それにはまず本人が楽しめることが第一だと思っています。その上で、自分の行動がよりすてきな世の中になっていくことに結びつくことが理解できれば、プラスの喜びや実感につながるはず。継続も大事なので、家の中や身近な買い物シーンなどで取り組めることを中心にしています」