「子どもの行動」と「皆の幸せ」をひも付ける工夫

 佐藤さん親子の具体的なアクションのひとつが、ゴミの分別。「子どもの通うスクールではリサイクルのためのペットボトルのキャップを回収しています。これはもうお友だちと数を競ってゲーム感覚で楽しく集めていますね。毎日のおやつの包装などのゴミは息子が分別の担当と決めました。分別からゴミ出しまでの一連の流れをしっかりと体験させると、意外にも達成感が大きいようです」

祖父母の畑の手伝いを通して、キレイな形や状態ではなくても野菜の味は変わらないことも実感(写真:佐藤さん提供)
祖父母の畑の手伝いを通して、キレイな形や状態ではなくても野菜の味は変わらないことも実感(写真:佐藤さん提供)

 日常の買い物も、SDGsを実践できるチャンスの宝庫のようです。佐藤さんがよく利用するのが、最近増えてきたリサイクルを促すサービス。近所の百貨店の靴の引き取りサービスや、ファストフード店に設置されたおもちゃのリユースボックスなどです。

 「百貨店の店頭には、リサイクルされ届けられた靴を履いている海外の子どもたちの写真が張られています。それを見た息子が『今度、僕の靴も持ってくる!』とやる気になって、実際にサイズ的に履けなくなったキレイな状態のスニーカーなどを届けに行きました。今では写真を見ると『僕の靴、あの子が履いているかな?』などと話しています。おもちゃのリユースも同様で、『使わなくなったおもちゃがトレーに生まれ変わる』という説明イラストを見たときから、自分でジップロックに詰めてお店に持っていくようになりました。『自分の行動の結果が、目に見える形でそこにある』と、子どもの関心はぐっと高まるのだと実感しました」

毎日の中で主体的に実践! 買い物シーンでSDGs

 さらに、SDGsに多角的かつ継続的に取り組む最適な場として、佐藤さんが挙げてくれたのがスーパーです。親子で買い物へ行くときは、子ども用のマイバッグを持参するのが習慣になっているそう。

好きなキャラクターがあしらわれた子ども用の小さなマイバッグを持って買い物に。自分で荷物を持ちたい! という気持ちを引き出す役割も(写真:佐藤さん提供)
好きなキャラクターがあしらわれた子ども用の小さなマイバッグを持って買い物に。自分で荷物を持ちたい! という気持ちを引き出す役割も(写真:佐藤さん提供)

 「自分専用のマイバッグだと率先して袋詰めも手伝ってくれます。面白いことに、自分が買い物をしている、という主体性も出てくるようで、いろんな商品がある中でなぜこれを選んだのか、という会話が生まれて、そこからSDGsにつながる話題に発展することもあります」

 フードロスやプラゴミ対策から、ばら売りの野菜や、量り売りのおやつを積極的に購入しているという佐藤さんですが、ここでも野菜を選ぶのは子どもの役割にしています。「じゃがいもひとつとっても、大きな箱から1つを選び出すのが楽しいようで、真剣そのもの。パッキングされていないほうが資源は無駄にならないよね、といった話をすると、ふーん、といった反応ですけど、記憶には残っているのではないでしょうか。スーパーに一緒に行くと『今日もこっちの野菜にする?』なんて聞いてきます」

 何を知り、何を選んできたか、という経験の積み重ねが、子どもが大きくなってから自分で選択するときの礎になればと佐藤さんは願っています。

 そのほか、店頭や映画館などで子どもがたくさん欲しがる「チラシ」も、SDGsを知る窓口のひとつ。「不要なものまで取ってしまうとゴミも増えるし、本当にそのチラシが必要な人の分がなくなってしまうかも、などと話をして、必要な分だけ選ぶように声がけしています。まだ理解は追い付かなくても『あるものはなんでも自由に使っていいわけじゃないんだ』と学ぶきっかけになれば」と佐藤さんは語ります。