過去半世紀にわたり利用されてきた原子力発電。しかし、その発電によって発生した「高レベル放射性廃棄物」の処分場所がいまだ決まっていないという問題があることを知っていますか? 電気を利用してきた私たちにとって、これはむろん無視できない社会課題。そこで今回は、元フジテレビのアナウンサーで、現在はアロマセラピストとして活躍する大橋マキさんと、哲学が専門の津田塾大学教授の萱野稔人さんに「高レベル放射性廃棄物の処分問題」をテーマに対談していただきました。

自然のサイクルをそのままに……。サスティナブルな生活とは

大橋 私は今、三浦半島の葉山町で自然を身近に感じられる暮らしをしています。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)や心地よい暮らしを大切に、植物の力を分けてもらうエッセンシャルオイルを使ってアロマセラピーを行う仕事をしながら、自然の中で子どもたちと一緒に遊んだり、地域の方とガーデニングを楽しんだりしています。そんな生活を送っていると、花が咲き誇り、やがて朽ちて土に還るといった自然のサイクルを身近に感じることができて、そのサイクルが世代を超えてもそのまま続くように生きていきたいなと日々思っています。

<b>大橋マキ</b>(おおはし・まき)さん<br> アロマセラピスト、一般社団法人はっぷ代表<br> 神奈川県出身。1999年聖心女子大学文学部卒業後、フジテレビにアナウンサーとして入社。その後、植物療法を学ぶため英国に留学。帰国後、IFA認定アロマセラピストとして病院で活動し、2018年に一般社団法人はっぷを設立。植物療法やガーデニングを通じた介護予防や多世代交流、ハッピーエイジングな町づくりを行う。神奈川県葉山町で子どもたちと海遊び・山遊びを満喫している。今秋『葉山和ハーブ手帖』発刊予定
大橋マキ(おおはし・まき)さん
アロマセラピスト、一般社団法人はっぷ代表
神奈川県出身。1999年聖心女子大学文学部卒業後、フジテレビにアナウンサーとして入社。その後、植物療法を学ぶため英国に留学。帰国後、IFA認定アロマセラピストとして病院で活動し、2018年に一般社団法人はっぷを設立。植物療法やガーデニングを通じた介護予防や多世代交流、ハッピーエイジングな町づくりを行う。神奈川県葉山町で子どもたちと海遊び・山遊びを満喫している。今秋『葉山和ハーブ手帖』発刊予定

萱野 自然界の循環に身を委ねる生活を送っていきたいということですね。例えば、人間は生活していく上でたくさんのものを享受していますが、その過程で廃棄物など利用できないものも残ってしまいます。それを自分たちできちんと処分していくことも、地球に負担をかけずに、次の世代に今ある自然を残していくことにつながるのかなと思いました。

大橋 そうですね。享受してきたものはその状態で次の世代につなげていきたいですし、その過程で出てしまった廃棄物は、次の世代に迷惑をかけないように、少なくとも処分の道すじをつけた状態で手渡していくことが重要ですね。

萱野 まさにサスティナブルな考え方ですね。今の豊かな生活を手に入れるために、私たちはこれまでたくさんのエネルギーを使ってきましたが、そのエネルギーの中には、いくつかある課題のひとつとして高レベル放射性廃棄物の問題もあります。これについては次の世代のためにもエネルギーを享受してきた今の世代できちんと処分の道すじをつけなければいけません。

<b>萱野稔人</b>(かやの・としひと)さん<br> 哲学者、津田塾大学総合政策学部教授<br> 愛知県出身。早稲田大学卒業後、渡仏し、2003年にパリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。哲学に軸足を置きながら現代社会の問題を幅広く論じている。『リベラリズムの終わり その限界と未来』(幻冬舎新書)、『権力の読みかた——状況と理論』(青土社)、『哲学はなぜ役に立つのか?』(サイゾー)など、著書多数
萱野稔人(かやの・としひと)さん
哲学者、津田塾大学総合政策学部教授
愛知県出身。早稲田大学卒業後、渡仏し、2003年にパリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。哲学に軸足を置きながら現代社会の問題を幅広く論じている。『リベラリズムの終わり その限界と未来』(幻冬舎新書)、『権力の読みかた——状況と理論』(青土社)、『哲学はなぜ役に立つのか?』(サイゾー)など、著書多数