楽しい暮らしの中心となるキッチンに欠かせないのが「食器洗い乾燥機」です。楽しい食事の気分をそのままに、ラクに食器や調理道具の片付けができる暮らしの機器。そんな食洗機が提案する新しいキッチンとその暮らしを、暮らし提案のプロである3組の建築家の皆さんから話を伺いました。
食洗機を導入することは「時間」を買うこと
食後の団欒は、家族ともっとも楽しく過ごせる時間。キッチンに食洗機を入れることは、家事の負担軽減だけではなく、「『楽しい時間』を買うことにもつながる」と、今回話を伺った建築家は口を揃えてこう話します。
共働き家庭が増えて、家事に関わ労力をできるだけ少なくしたい。そんなご家庭では特に食洗機の便利さを実感しているとか。また最新の食洗機は音が格段に静かになっており、家族のくつろぎの時間を邪魔することも減りました。洗浄力も手で洗うことに比べて格段に高く、手洗いに比べてランニングコストが4割ほど抑えられるそう。
実際、建築家の皆さんによれば、いまや大半のご家庭が食洗機を導入するのだとか。住宅からホテル・店舗設計を手がけるファロ・デザインの住吉正文さんと野本陽さんによれば「特に、キッチンに思い入れがあるほど食洗機選びにはこだわりを持つ」そう。毎日の作業効率、毎日の時間の有効活用は、ちょっとした使い勝手で大きく変わる。それを理解しているからこそ、機器選びは慎重になるのだそうです。
キッチンにこだわりを持つ施主から特に指名買いされるのが、リンナイのフロントオープン食洗機。「初めからこの機種を名指しする施主が特に最近増えました」(野本さん)。国内のメーカーのビルトイン食洗機の大半がスライドオープンタイプと呼ばれるもの。引き出し扉で、上から食器を入れるタイプです。
対してフロントオープンタイプは、扉を開け、2段あるカゴを引き出して食器をセットします。フロントオープンのメリットは、①2段式だから、スライドタイプよりも多くの食器が入れられ、大皿や茶碗、コップやフライパン・鍋が入れやすいこと。そして②食器を一旦セットした後、さらに追加で食器を入れる『後入れ』が楽なこと。ご自身もフロントオープンタイプを使うポーラスターデザイン一級建築士事務所の長澤徹さんは「スライドタイプは、食器のセットがパズルのよう。毎日食器をセットする作業が負担になる。一方でフロントオープンタイプは容量に余裕がある分、ある程度おおざっぱに食器を入れられるというメリットもある」として、フロントオープンタイプを勧めているそう。「その使い勝手は、これまで導入してこなかった自分を叱ってやりたい、という施主もいるほど」と話します。
実はフロントオープンタイプがあるのは、国内メーカーではリンナイだけ。「海外製の電化製品は価格が高い。また導入後のメンテナンスや故障時の対応などにコストや時間がかかることが多い。何度かトラブルも経験しており個人的にはあまりお勧めしていない」(住吉さん)。デザインもシンプルで「造作キッチンの邪魔になることはない」というニュートラルな印象もあり、近年特にリンナイのフロントオープンタイプ食洗機が注目を浴びているのです。
例えばファロ・デザインがリノベーションを手がけた、Bさんのマンション。一人暮らしのBさんは、できるだけ手間をかけずに家事ができるキッチンをテーマにしたそう。「さまざまリサーチをした結果、食洗機はリンナイのフロントオープン一択でした」(Bさん)。
Bさんは、朝・昼・晩の3食で使った食器を食洗機に溜め、寝る前に一度に洗浄したいと思っていたようで「幅45センチの一般的なサイズながらも容量が大きく、簡単に食器の出し入れができる要望を叶えてくれるのが、このリンナイのフロントオープン食洗機でした」。
リンナイのフロントオープン食洗機なら単身や2人家族なら1日分の食器洗いを1回にまとめて。また、4、5人の1食分の食器と、さらにフライパンや深鍋なども一緒に洗える容量があります。日本のキッチンにちょうど良いサイズ、メンテナンス性、そして入れ替えを考えた時の利便性やランニングコストなど、すべてにおいてバランスが取れた製品、というのが、建築家とユーザーの共通認識認識のようです。
スッキリと空間に溶け込むデザイン
また、キッチン空間を美しく整えたいという建築家の心を捉えたのが食洗機自体のデザインです。farmの村部塁さんが特に気に入っているのが、「細かい点ですが、操作パネルの凹凸のなさ」。生活空間には主張のないニュートラルなデザインの方が馴染みます。余計な出っ張りがあると、調理中の細かい食材が操作パネルの隙間に詰まり衛生的ではない場合があるそう。凹凸のないシンプルさは、毎日の細やかなストレスを軽減できる工夫でもあるのです。