世界的な大豆高騰の背景にある4つの要因とは?

 食料需要だけでなく、燃料、家畜飼料、工業用など、用途の多様化に伴い、大豆の需要は全世界的に伸び続けている(下記グラフ参照)。これも現在の状況を招いている要因のひとつだ。

 USSECの立石さんは、現状の背景にある問題として、次の4つを指摘する。「ひとつはコロナ禍からの経済回復とサプライチェーンの混乱。2つめが脱炭素政策の影響による国際商品価格の高騰。3つめが紛争による穀物の価格上昇、4つめが気候変動による農業大国での悪天候です。これらの状況が絡み合って大豆をはじめとする穀物原料の供給減少、価格上昇につながっているのです」

 食品大豆においては、さらに特有の事情がある。「日本では消費者の『非遺伝子組み換え』へのニーズが極めて高く、それに応えるためには、適性ある品種の改良や、他の品種等と混ざらないよう分別する徹底した管理が欠かせません。トレーサビリティの確保にも大きな手間とコストがかかり、こうした『高付加価値大豆』を生産する農家の確保も難しくなってきています」(立石さん)。生産に必要な投入資材が高騰し、競争が激化する中、今までと同じ条件で作り続けることに限界が来ている。

 「世界的に見ると、日本は非常にニッチで高付加価値な大豆を輸入している」(立石さん)にもかかわらず、私たち日本人は、「大豆食品は安価なもの」という認識が根強いのも事実だ。日本人の食生活に欠かせない大豆。直面する課題解決に向けて、大豆食品業界をけん引する豆腐・納豆関連団体も対応に乗り出している。