豆腐や納豆など、身近な食品の原料となっている大豆。その大豆が今、世界的な課題に直面している。一体何が起きているのか。大豆を主要原料とする食用油、豆腐、納豆などの関連団体に話を聞き、大豆業界の現状を探る。

食卓に並ぶ豆腐や納豆…その多くは輸入大豆

 豆腐に納豆、味噌、醤油など、私たち日本人の食卓に欠かせない大豆食品。大豆から抽出される大豆油も、サラダ油や天ぷら油として、調理になくてはならないものだ。

 アメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表の立石雅子さんによると「日本の大豆需要の94%は輸入大豆によってまかなわれています。ただし味噌や醤油を含む食品用はその約2割。残りの約8割は食用油で、大豆の原料はほぼ輸入に頼っているのが現状です」と言う。

アメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表 立石雅子さん
アメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表 立石雅子さん

 食用油でも食品用でも、そのほとんどを輸入に頼る日本で、大豆業界は今、原料大豆の価格高騰という大きな課題に直面している。

 食用油を含む日本の食用大豆の約7割を占めるのがアメリカからの輸入大豆。アメリカ大豆の円滑な輸出・価値向上を目指すUSSECは、日本植物油協会、油糧輸出入協議会と協力し、搾油業界の課題を協議する「日米パートナーシップ会議」を毎年開催するなど、関係を深めてきた。

 油糧輸出入協議会専務理事の塩見聡さんに、日本のマーケットにおける食用油の現状を聞くと、「国際紛争や気候変動、バイオ燃料の需要の高まりなどによって油脂原料の高騰が続き、大豆などの原料を海外に依存する日本では、国際相場に応じて食用油の国内価格に転嫁せざるを得ない状況」と言う。