リンナイの「マイクロバブルバスユニット」のお湯は、お肌のうるおいを保つほか、生活の質の向上に繋がることが最新の研究から明らかになった。そんな機器の魅力に迫るべく、美容と健康に詳しい日経BP 総合研究所の米川瑞穂・主任研究員が、リンナイの開発者とお風呂や睡眠の専門家に直撃した。

「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」は、微細な泡を水に溶け込ませる、リンナイ独自技術。長年の研究を重ねて開発されたこのテクノロジーは、マイクロバブルバスユニットやウルトラファインバブル給湯器に使われています。毎日の入浴をよりリラックスできる時間に変え、家中の水回りの掃除を楽にします。エアバブルテクノロジーで、暮らしに新しい体験を提供しています。
お風呂と健康の関係について研究を行なっている東京都市大学の早坂信哉教授とリンナイが22年6月に発表した研究成果が、美容業界で話題になっている。その研究とは、同社が開発した「マイクロバブルバスユニット」のお湯に浸かると、肌の角質水分量がさら湯浴と比較して上昇するというもの。マイクロバブルのお風呂に入ると体の汚れが落ちやすくなるが(図1)、加えて肌の調子を整えるのに欠かせない「うるおい」まで向上することが証明された(図2)。
スキンケアの習慣を変えるかもしれない今回の発見。その詳細と、これからのスキンケアがどう変わっていくのかをマイクロバブルバスユニットを開発したリンナイ・開発本部の野々山昌生氏と岩間優子氏に、日経BP総合研究所の米川瑞穂主席研究員が聞いた。
汚れもうるおいもいい所取り
──汚れが落ちると言うことは皮脂も落ちるということです。皮脂が落ちれば体の水分を保つ効果も落ちやすいと考えるのが普通です。しかしマイクロバブル浴は皮脂は落としながらも角質水分量が保てるという結果が出ました。これはどうしてなのでしょうか?
早坂マイクロバブル浴は、さら湯のお風呂に入るのと比較して「肌のつっぱりが抑えられる」「肌がしっとりとしたように感じられる」という声はこれまでもありました。今回は肌の水分量を実際に計測し、定量的な面でそのうるおい効果が証明されたということになります。
そもそも入浴自体が肌のうるおい効果を高める理由については、様々なメカニズムが作用していることが複数の研究から示唆されています。なかでも一番大きいとされているのが、入浴による体の温まりがより促進されて、血流が良くなることです(図3)。血流が良くなれば血液が皮膚に運ぶ水分量も増えて、皮膚の隅々までうるおいが行き渡る、という理屈です。
マイクロバブル浴をすることで、肌の皮脂や汚れを落としてくれ、しかも入浴後の角質水分量も保ちやすい。いいとこ取りを実現できると言えます。
野々山マイクロバブルバスユニットは、普段の入浴スタイルを大きく変える可能性があります。今までは浴槽に入る前に入浴用石鹸で体をしっかり洗い汚れを落として、お風呂は最後に体をあたためるためにありました。しかし、これからは汚れの気になる部分、例えば汗腺の多い背中や胸だけを優しく洗って、洗体の仕上げをマイクロバブル浴に任せる、という入浴方法になるかもしれません。
早坂マイクロバブル浴は全身くまなく、細かい隙間まで洗浄できます。無理してゴシゴシと体を洗う必要はなく、時短にもなります。
──体を擦りすぎることで色素沈着を起こすという例もあります。楽に、そして肌に優しく体を洗えるマイクロバブル浴は、長期的な視点での美肌につながるのかもしれませんね。
水と空気だけで安心
──子育て中の親などからは、お風呂から出て子どもの世話をしているうちに、入浴後の自分のスキンケアができず乾燥が気になり、それがストレスになる、というような声も聞きます。子育て家庭に向けたメリットはありそうですか。
岩間マイクロバブル浴後は、さら湯浴より肌のうるおいが長続きします。例えばマイクロバブル浴後30分の肌の水分量は、さら湯浴後15分の肌の水分量よりも多いという結果が出ています。
私自身マイクロバブルバスユニットを使っていると肌のうるおいがしばらく経っても保たれることを実感でき、お風呂に入った後のスキンケアを少し余裕を持って行えるようになりました。
早坂また、子どもは皮膚が敏感ですからマイクロバブル浴はおすすめです。人によって相性があり、子どもの肌に合う石鹸の選び方は実は難しい。できるだけ石鹸を使わない洗い方が良い場合もあり、その点マイクロバブル浴は水と空気だけなので安心して入れられます。
男性スキンケアの手助けに
早坂子どもに限らず、すべての人のライフステージに合わせた入浴ができるのが、マイクロバブル浴の強みだと思います。例えば男性の多くは普段スキンケアをしないと思いますが、だからこそ起こる肌トラブルが実は多い。毎日の髭剃り後に何もケアをしなければ肌は傷ついて乾燥しやすくなります。また、すねが乾燥して痒くなると言うのも中年以降の男性に多い症状です。
肌の乾燥に悩む人が多いのに男性は保湿をする習慣がない人が多いですし、そもそも保湿クリームを塗って肌がベタつくのを嫌う人もいる。だからこそ、普段と同じようにお風呂に入ることでスキンケアの手助けができるマイクロバブル浴の存在は重要だと思います。
野々山男性は「そもそもどんなスキンケア製品を使ったらいいのかわからない」という、最初のところでつまずいてしまう人が多くいました。スキンケアのはじめの一歩としてマイクロバブル浴を利用してもらえればいいのではと考えています。
早坂お風呂に入るだけで、全身くまなく洗浄ができ、さらに全身スキンケアの手助けができる。他のどの石鹸・洗剤・機器にもない、マイクロバブル浴ならではの特徴だと思います。
野々山マイクロバブル浴をする時は、頭までお風呂に入るのもおすすめです。耳裏から発生しやすいと言われる加齢臭の対策もかねて、頭皮全体を洗浄・ケアする感覚で入浴してみてください。
岩間顔をマイクロバブルのお湯に浸けると、顔がつっぱらずしっとりと感じられます。また泡が弾ける感覚が面白くて気持ちがいいですね。白濁するお湯は視覚的なリラックス効果もあります。
お風呂以外のお湯にも
──マイクロバブル関連製品として、シャワーヘッドなどがあります。これらとマイクロバブルバスユニットとの違いはありますか?
早坂簡単に言うと、お風呂により体の温まりがあるか無いかだと言えるでしょう。お風呂で体が温まることは、リラックスや質の高い睡眠に繋がります(下の囲み参照)。その結果お風呂に頻繁に入っている人は幸福感を得やすいという研究結果があります。
脳波の計測を通して感情変化や睡眠の質などについて調査する慶應義塾大学の満倉靖恵・理工学部システムデザイン工学科教授兼医学部精神神経科学教室兼担教授と共同で研究。マイクロバブル浴の場合、さら湯の場合よりも風呂上がりの興奮状態から落ちついた状態になるまでの時間が短いという。

満倉教授によれば「睡眠で十分に疲労回復や脳のリフレッシュを行うためには、入眠してすぐに『深睡眠』と呼ばれる状態に入るのが理想」だという。「入浴をするとより早くより深い睡眠を取りやすくなる。そして今回の調査結果を見るとマイクロバブル浴はさらに短時間でそのような眠りに入れるのではと推測できる」。
満倉教授は「良い睡眠が取れれば短い時間でも十分リフレッシュできる」と説明する。忙しい日本人が質の高い睡眠を取るサポートする存在になるかもしれない。
野々山10月にウルトラファインバブルを発生させられる給湯器を発売します(下の囲み参照)。家の給湯器を入れ替えるだけで、キッチンや洗面所、浴室の蛇口すべてからこのウルトラファインバブルを含んだお湯が使えるようになります。普段通りにお湯を使えば浴室やシンクを清潔に保てることが期待できます。今回紹介したマイクロバスユニットにも、ウルトラファインバブルは大量に入っており同様の洗浄効果が期待できます。
普段から何気なく使うお湯が、私たちの快適な生活や健康を支えるさまざまな機能を持つようになります。マイクロバブル、ウルトラファインバブルに関連した独自技術をリンナイでは「Air BubbleTechnology 」と名づけ、今後も技術開発を進めていきたいと思っています。
普段通りお湯を使うだけで、家がより清潔・綺麗に
- ❶落としづらい水垢を抑制
- 水道水のミネラル成分が結晶となりこびりついてしまう浴室の浴槽や鏡、シンクの水垢。さら湯と比べてミネラル成分の付着を軽減し、普段の掃除では落としづらい水垢を抑制することが期待できます。
- ❷汚れの原因菌1種類のコロニー数39%減少
- 浴室の床や排水口など水まわりの汚れの原因菌は、あらゆる場所に存在します。汚れの原因菌が洗い流されやすくなり、浴室の床やキッチンのシンクなどの汚れ軽減を期待できます。
- ❸洗いづらい排水管もすっきり清潔に
- キッチンの油、洗面所の石鹸カスや化粧品のオイルは、排水口の奥に溜まることでニオイやつまりの原因に。さら湯と比べて汚れが洗い流されやすくなり、排水管を清潔に保つことが期待できます。
ウルトラファインバブル給湯器
文/丸尾弘志(日経BP総合研究所)