ワーキング・グループで様々な課題を解決していく

――現在、グローバルでESG(環境・社会・企業統治)への取り組みに力を入れていらっしゃるかと思います。日興アセットマネジメントのESG投資とサステナビリティ活動には長い歴史があると聞いています。

佐谷戸 ESGについては、ESG投資という側面と当社自身のサステナビリティに関する活動がありますが、私のほうからはESG投資についてお話ししたいと思います。

 近年、ESG投資の存在感は世界中で高まっています。ESG投資というのは投資先を選定する際にその会社の財務情報に加えて、非財務情報であるESGの取り組みも考慮して決定する投資のことです。投資先企業とのエンゲージメント(対話)という活動を通じ、企業価値に影響のあるESGに関わる課題を見極めることも、持続的に高い運用成果を上げるうえでとても重要です。

 当社では現在、投資のためのあらゆる分析や意思決定のプロセスにESGの要素を取り入れています。お客様の大切な資金をお預かりして長期的な視点で成長させることを目指す当社は、現在のようにESGやSDGs(持続可能な開発目標)の概念が幅広く社会へ浸透する以前の、1999年8月に日本で初めての環境問題への取り組みに着目した投資信託※を開発して以来、20年以上にわたり一貫してESGの要素を投資収益に結び付ける努力を続けています。

※日興アセットマネジメント調べ

――ステファニーさんにうかがいます。サステナビティ活動をグローバルで取り組んでいるということですが、どんな取り組みを行っていますか。

ステファニー 私たちは、資産運用会社としてお客様の最善の利益を最優先に行動しています。それと同時に、企業市民としての行動も重要だと考えています。自社の行動がしっかりしていなければ投資先企業に高い基準を求めることはできません。ですから、コーポレート・サステナビリティ(企業活動の持続可能性)とESGはつながっています。

 コーポレート・サステナビリティという意味では、いろいろなワーキング・グループを立ち上げて様々な問題に取り組んでいます。海外拠点を含めたグループ全体で、女性、環境、障がい、人種平等、LGBT(性的少数者)をテーマにした9つのワーキング・グループがあり、グローバルの8%の社員が任意でワーキング・グループに参加しています。

 ワーキング・グループではオープンな議論が全社横断的に行われ、1つの課題が提起されれば、すみやかに社内制度やルールの見直しなど必要な対応を見つけ、実行に移されます。例えば、日常的に使用されるZoomミーティングにおいて、聴覚障がいのある人のために自動的に字幕を出すようにしました。まずは英語から対応を始め、対象言語を順次広げています。

――ワーキング・グループはどのように生まれたのですか。

ステファニー 当社には、社員がアイデアを出し合い創造性を刺激することを目的とした「アイデア・ジェネレーション・フォーラム」という社内会議があり、そこで、ある社員がLGBTのお客様との関わりを向上させるためのアイデアを提案したのが最初のきっかけでした。2017年に「LGBTワーキング・グループ」が発足。その後、女性活躍推進のための「ジャパン・ウィメンズ・グループ」や「障がい者ワーキング・グループ」、「環境ワーキング・グループ」などが相次いで発足しました。

 こうしたワーキング・グループは、社員一人ひとりの草の根的な活動によって成立しています。トップダウンではなく、社員が力を合わせて取り組まないとうまくいきません。

「ワーキング・グループは、社員一人ひとりの草の根的な活動によって成立しています」
「ワーキング・グループは、社員一人ひとりの草の根的な活動によって成立しています」