変化を起こす気持ちが大切

――構造的な問題を解決しながら女性管理職比率30%の目標を達成するには、どんな取り組みを行っているのか、具体的な施策について教えていただけますか。

ステファニー 日本に限ったことではないですが、どうしても男性中心の環境が長く続いてきたことから、様々な角度から考えて解決していく必要があり、そして、その議論には男性も参加して、女性をサポートする重要性を認識してもらう必要があります。女性活躍推進のワーキング・グループには男性メンバーも数多く参加しており、男女1名ずつが共同でリーダーを務めています。

 日本のジェンダーギャップ指数(2021年)は156カ国中120位です。日本の女性は家事、育児、介護などを行い、男性より多くを担っていることが少なくありません。男性はもっと多くのことを担う必要がありますし、お互いに協力して変わっていくことが大切ではないかと思います。

 ひとつ例としてあげたいのは在宅勤務です。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年3月頃から一気に在宅勤務が普及しました。女性は長年在宅勤務を求めてきましたが、管理が難しい、ビジネスチャンスを失うといった様々な理由からずっと実現しませんでした。ところが、コロナ禍で多くの企業が在宅勤務に移行しても、会社はそのまま存続していますし、きちんと機能しています。

 構造的な変化というのは、結局のところ、変化を起こそうとするかどうか、やる気のほうが問題であって、変化そのものはそんなに難しいことではないと思っています。

 また在宅勤務により、多くの企業で人事評価がよりアウトプット重視になったといわれています。社内政治的な駆け引きや育児中には参加しづらいアフターファイブの付き合いとかに関係なく、実績で評価される。それによってより公平に評価されやすい状況になったということができ、これは構造的な変化を起こすチャンスだと思います。

「在宅勤務の普及は、構造的な変化を起こすチャンスだと思います」
「在宅勤務の普及は、構造的な変化を起こすチャンスだと思います」

――D&Iやジェンダーダイバーシティを進め、今後どのような会社を目指していくのでしょうか。

佐谷戸 当社では人材が最大の資産です。最近、ウェルビーイング(Well-being)という英語がよく使われますが、その言葉の通り、社員の心身の健康が何よりも重要だと考えています。社員にとって「働きたい会社ナンバーワン」であり続けることが最大の目標です。

 異なるバックグラウンドやカルチャーを持つ社員同士がお互いの価値を尊重し、丁寧なコミュニケーションを取り合える、活力があり、創造性に富むフェアな職場をつくり、維持することは経営トップとしての責務です。

 そのために多様な働き方の実現に向けて制度、インフラ、意識を継続的に改革し、多様な人材が活躍できる職場環境を構築することが重要です。

 先ほど構造的な問題というお話をしましたが、意識、制度、環境の3つに分類できると思います。「意識」の面で一番根深い問題の1つはアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)でしょう。この克服は容易ではありませんが、社内研修などの取り組みを進めています。「制度」については、多様な休暇制度やより柔軟な在宅勤務が可能となる就業規則などを導入・改善しており、「環境」面では、シェアオフィスなど、より快適なリモートワークが実現できる環境の整備などを進めています。

 D&I推進の歩みを決して止めないことが大切です。不断の継続的な取り組みが、当社を、また社会全体を、真のD&I実現に一歩一歩近づけてくれると確信しています。

「不断の継続的な取り組みが、当社を、また社会全体を、真のD&I実現に一歩一歩近づけてくれると確信しています」
「不断の継続的な取り組みが、当社を、また社会全体を、真のD&I実現に一歩一歩近づけてくれると確信しています」