アナログも併用しながら、ICT化を進める馬場幼稚園

 続いてお話を伺ったのは、金沢市にある幼保連携型認定こども園・馬場幼稚園園長の近藤瑠美子さんと、ICT導入担当教諭の杉谷陽子さん。同園はICTへの関心が高く、既にいくつかのデジタルサービスを導入しています。「現状をICTの過渡期と捉え、ニーズに合わせた対応を大事にしている」そうです。

 「デジタルツールの導入により、職員間の情報共有など、確実に業務の効率化につながっています。その一方で、園日誌の作成では、教諭によってデジタル派とアナログ派がいますし、保護者へのお知らせレターを受け取る親御さんもデジタル化を望む方とそうでない方がいます。慌てず、特に親御さんの要望に応じた対応を行うという選択をしています」と、馬場幼稚園園長の近藤さん。

お話を聞かせてくれた馬場幼稚園のみなさん
お話を聞かせてくれた馬場幼稚園のみなさん

 また、現場で奮闘する杉谷さんは、「新しいデジタルサービスを園全体に浸透させるのはなかなか大変です。使い方についての質問はどうしても発生してしまうので、急ぎすぎずに丁寧に時間をかける必要があると思っています。子どもたちにもっと時間をかけられるようにするため、何をICT化することで業務効率化につながるか、いろいろと検討しているところです」と前向きな姿勢を話してくれました。

保護者主導でPTAにLINE WORKSを導入。活動がスムーズに

 馬場幼稚園のICT化で非常に興味深いのは、PTA活動にICTを取り入れたことです。提案したのは、保護者でPTA役員の中澤和葉さん。当時はどのような課題があって、導入を提案したのでしょうか?

馬場幼稚園
馬場幼稚園

 「今年、PTAで書記を担当することになりました。その際、引継ぎ資料として分厚いファイルとUSBを受け取ったのですが、それを1人で管理する自信がないと思ったのがきっかけで、解決方法を探しました。また、コロナ禍で夫がリモートワークをしている様子を見ていて、PTA活動にもICTを取り入れれば便利になって、効率化にもつながるだろうと思いました」

 そんな中澤さんが、数あるICTツールの中から選んだのが「LINE WORKS」でした。その理由とは?

 「ICT化に不安を抱いている役員の方もいましたので、誰もが使いやすいサービスはないかと探してたどりついたのがLINE WORKSでした。これなら、みなさんが日頃利用しているLINEと同じ感覚で使えるので、ハードルは高くないのではないかと思ったのです」

 導入して約半年が経過した現在、PTA役員の連絡には欠かせないツールとなったといいます。

 「PTAが関わる園行事や、PTA主催の保護者向けのイベントなど、企画ごとにトークを立ち上げて役員間でやり取りをしたり、必要に応じて先生方とも意見交換や連絡が取り合えるようにしています。さらに、PTAの活動として毎年必ずやることについては、掲示板にカテゴリを作ってアップ。これまでUSBで保存していた引き継ぎデータなどは、クラウドで共有しています」(中澤さん)

馬場幼稚園PTAでのLINE WORKS活用の一例
馬場幼稚園PTAでのLINE WORKS活用の一例

 LINE WORKSの導入によって、忙しい親どうしのコミュニケーションも深まったことが大きなメリットだと中澤さんは指摘します。

「コロナ禍で、リアルで集まりづらい中、オンラインで質問や相談事を気軽に投げられるので、とても便利です。また、空いた時間に情報やデータにアクセスできるようになったので、小さなお子さんがいる方やフルタイムで活躍している方などでもPTA活動に参加しやすくなったと思います。加えて、書紀の担当者だけが抱えていたデータ保管の責任負担がなくなったことも、大きな利点だと思います」