出産後も1人で悩まず、メンバー全員でよりよい働き方を目指す

── 東京に戻られてから、働き方やキャリアチェンジなどの悩みや迷いはありましたか?

植村 リモートで働いている間も、以前一緒に働いていたメンバーと連絡を取ったり、出張して一緒に仕事をしたりしていました。そのため2013年に東京に帰った時はスムーズに元の仕事に戻れました。ただ2016年に出産した時は「復帰後は保育園の送迎などがあり、今までと同じ仕事は難しい」と考え、再度、働き方を見直す必要が生じました。

ここでも1人で悩むより、声をあげようと思いました。PwCには上司や周囲の人に状況や気持ちを素直に伝え、相談に乗ってもらえる環境があるからです。どのチームなら子育てしながら貢献できるか、どのポジションに空きがあるかを探し、比較的働く場所に制限の少ないトレジャリーチームへの異動を希望。グローバル企業の資金管理の高度化に関するアドバイザリーを行うチームです。ここで時短ではなくフルタイムで働くことにしました。「保育園のお迎えがあるなら無理だね」ではなく、その働き方の中でどうすれば価値を生み出せるかを一緒に考えてもらえるので、仕事を続けてこられたのだと思います。

── お迎えのために定時で帰るのは肩身が狭いという人もいます。植村さんはどう乗り切っていますか。

植村 私だけ定時で帰ったら他のメンバーに申し訳ないし、夜遅くまで働く人に負担が偏るのも良くありません。ですから復帰する時、「チーム全員で残業しない働き方をしたい」と提案しました。するとマネージャーが賛同してくれ、皆で意見を出し合い、残業を減らして生産性の高い仕事をしようという方向に向かいました。

ただ、私自身も20代の頃はエネルギッシュに働いていたので、「遅くまで働いて、終わったら皆で食事に行くのが楽しみ!」という気持ちも分かります。一人ひとりが自分に合った働き方をすることで、チームとしてのパフォーマンスを最大化し、全体の生産性が高まるのだと考えています。「私一人が特別扱い」ではなく、他のメンバーと同じ目線で評価される──、これが働きやすさの大きなポイントだと思います。PwCの人事評価では、「個人の成長」と「組織の成長への貢献」の2つの視点を持ち、労働時間ではなく成果がより重視されるので、その点でも柔軟な働き方を後押しされていると感じます。

── 植村さんの周囲では、どのような働き方をしている方がいますか?

植村 「コロナ禍でリモートワークが主流となったので、両親の近くで子育てをしたい」と東京から京都に移住した男性や、独立を見据えて勉強したいと、FWA制度(*)を利用して週4日勤務を選択した男性もいます。子育て中の女性だけでなく、男性も柔軟な働き方を実現している方がいます。

各人が能力を発揮しやすい場所を見つけてアサインすることで、ワークライフバランスも向上するし、本人のモチベーションも上がります。その結果、それまで以上に価値を生み出し会社に貢献できるので、まさにwin-winですね。

私はグイグイ引っ張っていくタイプのリーダーではないので、皆が意見を言いやすい雰囲気づくりを心掛けています。何気ないひと言もキャッチして、その人が力を発揮できる仕事にアサインしたり、一緒に働き方を考えて環境を整えることが大切だと思います。私がそうやって働き続けてこられたので、恩返しをし、次世代にもつなげていきたいです。

── 最後にキャリアに悩む女性へのメッセージをお願いします。

植村 私はすぐ悩むタイプです。ただ、キャリアの岐路に立った時に、生活か仕事かの二者択一ではなく、どちらも大事にする道を切り拓くことを心掛けてきました。幸せな人生という土台の上にキャリアがある方が楽しいですよね。

人それぞれ大事にしたいものは違うので、私は子育てしながら働くことが「制約」とは思いません。100人いたら100通りの事情と働き方があるはずで、そこに寄り添ってくれる世の中になってほしいし、皆で声をあげて仕組みや働き方を変えていけるといいな、と考えています。

(*)FWA制度(Flexible Work Arrangement) 短時間勤務、短日勤務(週あたりの出勤日を3〜4日に減らす)や3カ月間の休職が可能。語学の習得や資格取得など、育児・介護以外の理由であっても、自身の志向に応じた効果的な時間利用を目的として導入。※PwCあらた有限責任監査法人、PwCビジネスアシュアランス合同会社、PwCコンサルティング合同会社所属職員が利用対象(2021年11月時点)

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取材・文/加納美紀 写真/佐々木実佳