2021年1月、「東京都女性活躍推進大賞」産業分野の大賞を受賞した、コカ・コーラ ボトラーズジャパン。全従業員1万5772人に占める女性割合が19.5%(※)という職場でこれを成し得た事実に注目です。2019年からダイバーシティ&インクルージョン施策の一つとして、女性活躍推進に力を入れている同社。その理由は、企業のミッションとサステナビリティに大きく関わっていると言います。目指すダイバーシティのあり方と、それを体現する女性社員の活躍を紹介します。

※従業員数はパートナー社員、パート、アルバイト、役員、派遣社員を除くすべての従業員区分が対象。2020年12月31日現在

なぜ多様性が求められるのか? 女性活躍を支える3つの取り組み

 コカ・コーラ ボトラーズジャパンのダイバーシティ&インクルージョンを支える柱は、「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造する」という同社のミッションにあります。

「多様化するお客様の嗜好やニーズを理解することが大切です。私たちのミッション実現のためには、互いの違いを認め合う幅広い視点や異なる立場から意見できる多様性が必要となります」と言うのは、ダイバーシティ&インクルージョン課を率いる木下梨紗さん。

<b>木下梨紗</b>(きのした・りさ)さん</br> 人事統括部 戦略推進部 部長<br> ダイバーシティ&インクルージョン課 課長
木下梨紗(きのした・りさ)さん
人事統括部 戦略推進部 部長
ダイバーシティ&インクルージョン課 課長

「製品をつくりお客様にお届けする工程の中には重たい飲料を取り扱う業務もあり、メンバーの多くが男性で構成されているチームもあります。そうした場合、『多様性』という言葉がなかなか現実味をおびにくいのも事実です。そこで、ダイバーシティ&インクルージョン推進の重要性を自分ごととして捉えてもらえるよう、女性活躍を見える化する仕組みを構築しています」

 例えば、女性社員のキャリアや女性管理職の育成に関する研修を実施しているほか、全管理職を対象とした、アンコンシャスバイアス研修も行われています。また、すべての社員が力を発揮して働けるような様々な制度を整備するなど育成・意識・制度のポイントから改革を推進しています。今回は数ある施策の中から、特徴的な3つの取り組みを紹介してもらいました。

「1つが、スーパーフレックスの導入です。当社ではコアタイムを設定していないため、時間の使い方に関しては社員自身の裁量が大きく、働き方次第で例えば午前中で仕事を終え、午後は育児や介護に充てることも可能。勤怠管理システムで実労働時間を管理しているので、本人も上長も勤務状況を容易に把握することができ、多くの社員がフレキシブルな働き方をしています」

 2つ目は、リモートワークの拡充です。もともと、全社員にスマートフォンやタブレットを支給するなどデジタル化を進めてきた同社では、既にリモートワークのインフラも完備。コロナ禍でもスムーズに在宅勤務や自宅から営業先への直行直帰に切り換えることができたそうです。

 そして、最も象徴的な取り組みとなるのが「パパエプロン」。これは、子どもが生まれる男性社員に育児・家事用のオリジナルエプロンを進呈するというもの。「みんなの前で上司からエプロンを渡すことで、職場全体に育児参加や育児休暇取得への理解や共感を深めてもらうのが狙いです」

「おめでとう」とエプロンを渡される瞬間は、誰にとってもハッピーなひととき。前向きな仕掛けが功を奏し、2019年には対象となる男性全員が育児休暇を取得したと言います。

 コカ・コーラ ボトラーズジャパンでは、2030年までに女性管理職比率20%の実現を目指し、様々な工夫を試みています。「日本は超高齢化時代を迎えると同時に、非常に成熟した社会へと変化しました。人財の獲得が難しくなり、且つ、個人のニーズが多様化する社会において、ダイバーシティ&インクルージョンの文化を醸成していくことは極めて重要です。それには、もっと周囲に目を向けることが必要。互いを認め、尊重し合い、そこから連帯感と自主性を高めていくことで、真のダイバーシティ&インクルージョンを達成できるのではないかと考えています」という木下さん。次ページからは、そんな職場で活躍する2人の女性にフォーカスを当てます。