「ここに転職し、マミートラックがすっかり解消されました」。こう語るのは、日立コンサルティングの岩﨑しのぶさんだ。同社は多様な社会課題に向き合いイノベーションを実現する、日立製作所100%出資のコンサルティングファーム。岩﨑さんは子育てや両親の介護を経験しつつ、現在は管理職として金融系システム開発、新規ビジネス創出支援などで活躍している。仕事の醍醐味や同社独自の魅力を語ってもらった。

小型無人店舗サービス「CO-URIBA」など多彩なフィンテック関連の仕事
――岩﨑さんはメガバンク系シンクタンクから転職して16年。「スマート社会基盤コンサルティング」部門でマネージャーとして活躍する現在まで、どのような仕事に携わりましたか?
岩﨑さん(以下、敬称略)前職の経験を活かしたITサービスのマネジメント、損害保険会社との協業ビジネス検討、業務効率化のコンサルティングなどがメインです。今はマネージャーの立場で常に3~5件のプロジェクトを担当しています。
小型無人店舗サービス「CO-URIBA」の活用プロジェクトにも参画し、置き菓子サービス「オフィスグリコ」の自動決済システムや東急百貨店本店でのコスメ&ビューティーのサンプル配布を行うシステムの試験展開などにもかかわってきました。後者は、対象コスメを購入した方が店舗に設置したCO-URIBAでさまざまなサンプルやクーポンから自由に数点を選べるもので、利便性とともに店舗間の送客・誘導や、利用状況をデータ化してマーケティングなどにも活用できる画期的なサービスです。
東急百貨店との化粧品サンプルの実証実験は1週間で多くの方が利用し、大いににぎわいました。私は従来、ITマネジメントなどの10年後を見据えた提案や決済システム開発といった仕事が多かったので、今回は多くの方の喜ぶ姿を目の当たりにする機会となり、非常にワクワクしました。
―― 「CO-URIBA」というプロジェクトは、どのように誕生したのですか。
岩﨑日立製作所を中心としたチームで、お客さまの課題解決やサービス提案に向けて「楽しいことと決済を結びつけるには?」といったブレストを行いました。「1畳スペースですべてが賄える」コンセプトは面白いと、2021年11月にキックオフし、翌22年2月に実証実験をスタートしました。このスピード感はメンバーの自由闊達さと日立グループが持つソリューション技術が集結した結果でしょう。