家事のサポートに頼るという新たな家事文化づくりを通して、「誰もが自由な選択で、自分らしく生きることができる世界をつくる」ことをビジョンに、「タスカジ」を立ち上げた和田幸子さん。実は、当の本人は長女気質で、「人に頼る」ことを苦手とするタイプ。そんな自分とどう向き合い、キャリアを築いてきたのか、お話をうかがいました。

モチベーションは100! だが次々に試練が立ちはだかる

和田幸子さん●株式会社タスカジ代表取締役。1975年生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、富士通に入社。キャリアを築くも出産後、仕事と家事の両立に苦労し、起業。家事代行マッチングサービス「タスカジ」を立ち上げ、人気サービスへと成長させる。日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤー2018受賞。
和田幸子さん●株式会社タスカジ代表取締役。1975年生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、富士通に入社。キャリアを築くも出産後、仕事と家事の両立に苦労し、起業。家事代行マッチングサービス「タスカジ」を立ち上げ、人気サービスへと成長させる。日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤー2018受賞。

 「0 → 1フェーズ」、つまりゼロから形をつくることを得意とし、もともと起業願望があった和田さん。育休復帰後に直面した「キャリアと家事の両立」こそ、自分の課題感に直結するテーマであると気づき、会社を退職して起業。家事代行マッチングサービスの会社を立ち上げた。

 が、起業後はいくつもの困難が生じた。まずは、自分の考えを言語化すること。事業を展開するには社内外の人々を巻き込む必要があり、目指す世界観を伝えることが重要だが「最も苦手だった」と和田さん。考えた末、専門家の力を借り、言葉で明確に説明できる言語化力を身につけた。

 壁が現れたときは「情報収集し、冷静に考えれば乗り越えられる」と強く信じて対処してきたが、次に待ち受けていたチームビルディング面での問題は難敵だった。