変化する社会における女性のキャリアの描き方

大塚 ここからは2つ目のテーマ、みなさんが思い描いている「今後のキャリア」について聞いていきたいと思います。

神宮 社長になった今は、自分自身のキャリアについてあまり考えなくなりました。それよりも、社員の夢や志をどう実現していくか、どうやって生きがいの持てる会社にしていくかということに注力しています。社内制度を改革できる立場にあるので、キャリアチェンジやプロジェクト間の異動がより柔軟に行える仕組みをつくりましたし、グループ会社間でのキャリアパスも新たに設けました。コロナ禍、私たちの会社はほとんどの社員がリモートワークをしています。パソコンと通信環境があればどこでも働けるので、UターンIターンを推進する制度も整えました。今まさに、私が学生の頃に思い描いていた世界が実現する兆しが見えていますが、これからも地域創生や若い人に夢を与えられる会社づくりを進めていきたいです。

小齊平 私が最近好きなのは、「プランドハップンスタンス理論」。偶発性をキャリア形成に活かしていこうという考え方です。これだけ世の中の変化が激しくなってくると、手元に回ってくるアサインが必ずしもやりたいことではなかったり、どのカードにどのくらいの将来性があるのかを見越せないということも多いのではないかと思います。私も過去にそのようなことがあり、散々愚痴っていた時期がありました。でも、皮肉にも、その頃に経験したことが、前職でも現職でもすごく生きているのです。まさに、偶発がキャリア形成に生きているのを実感しています。プランドハップンスタンス、ぜひみなさんも、この言葉を覚えておいてください。

冨樫 今の部署でこうなりたい、みんなでこうしていきたいという思いや目標があります。その一方、キャリアという視点では、この会社で何らかの影響が残せたらいいというくらい、ふわっとしていますね。これまで、今が一番、最高と、ずっと思いながらキャリアを積み重ねてきていますので、この思いを継続し、物事をどう進めていくか、どうやって上を向いて走り続けていくかということを、常に考え続けていきたいです。

大塚 今を大事に生きるというのはとても重要なこと。キャリアは、そうして一歩一歩積み重ねていくものだと思います。それでは最後に、みなさんから一言ずつメッセージをお願いします。

冨樫 働き方が変わり、選択肢が増えた今、女性がキャリアを積み重ねていく中で抱く恐怖は薄らいできていると思います。これからは、どこで仕事をするかよりも、誰と仕事するかがとても重要になってきていると思っています。女性の活躍は、会社を、日本を盛り上げると思います。ぜひ一緒に頑張りましょう。

小齊平 個人的かつ短期的な夢として、あえて今、リモート(オンライン)ではなくリアルな場で働く価値や意味あいを再定義していきたいと思っています。なぜリアルで働くのか、リアルで働く時にこそした方がいいことは何か、その時どんなことをしたらチームが一体化できるのか。こういったことが再定義されないと、せっかく多様な働き方が受け入れられる素地が整ってきたのに、元に戻ってしまうのではないかと思うのです。そして長期的には、空飛ぶ車、簡単に料理ができるITツールなど、夢のあるものをつくり出し、市場に広めることに貢献できたらいいなと。そんなことに興味がある方と、お仕事でご一緒していけたらと思っています。

神宮 みなさんが日頃使っているサービスや商品は、どんどんデジタル化されています。にもかかわらず、そこに女性の視点がなかなか入らず、女性の活用が少ないのはちょっともったいないなと思っています。デジタルの世界には可能性が広がっています。この業界での女性の活躍、チャレンジをぜひともお待ちしています。

大塚 力強いメッセージ、ありがとうございました。お話から得たたくさんの気づきを、これからのキャリアのヒントにしていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

取材・文/鈴木友紀 写真/辺見真也